転ばぬ先の杖 - 認知症専門医 長谷川嘉哉のブログ

認知症専門医師 長谷川嘉哉 ドクターズブレイン 長谷川嘉哉

医師は診断書でも患者さんを救えます!

投稿日:2017年8月21日

医師は、医療だけでなく
診断書でも患者さんを救えます。
しかし残念ながら医師は、
学生時代、
医師になってからも
一度も診断書の目的・書き方を学ぶことはありません。

自分は、
"50歳で発症した若年性アルツハイマーの患者さん"を
経験しました。
就労不能になり、
住宅ローンを滞納。
自宅が競売に出され
自己破産のすえ生活保護。
その時、自分は、家族が持ってきた
書類を書くことしかできませんでした。
医師として社会資本を提案できなかったことを
後悔したものです。
そんな経験から、
ファイナンシャルプランナー資格を取得
最近では、
1万人以上の保険営業マンに講演ができるまでになりました。

自分の外来では
脳血管障害の患者さんがいらっしゃれば、
発症後6か月で身体障害者の書類を作成し、
重度医療受給者証によって、医療費を無料にします。
傷病手当書類は、お預かりすることなく
その場で記載してお渡しします。
傷病手当は、患者さんの日々の生活の糧です。
1日でも早くお渡しすると喜ばれるのです。
発症1年半(時には半年)が経てば、
障害年金の書類を作成します。
障害年金は、認定されれば一生貰えるものです。
しかし、一発勝負の要素もあるため、
相当慎重に作成します。
発症を機に、退職する場合は
失業手当の延長措置も加味して
診断書を作成します
残念ながら高度障害に該当する場合は、
生命保険の支払い申請から、
住宅ローンの免除までアドバイスします。

正直、勤務医のころはこんな知識は皆無でした・・
でもこんな知識が
本当に本当に本当に・・
患者さんには喜んでいただけるんです。
改めて言います。
"医師は、診断書でも患者さんを救うことが出来るんです!"

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日本女性は絶滅危惧種?!

投稿日:2017年8月18日

外来で、80歳代の夫婦を見ていると
"昔の男性は羨ましい!"と思います。
とにかく、とにかく、とにかく・・
"女性が男性に尽くします。"
そのため男性は何もしないで
はっきり言って我儘です。
"働いたお金を全部、飲み代に使ってしまい
奥さんの稼ぎで家を建てて
挙句の果てに、寝たきりになって
奥さんが、介護!"
"男性が認知症になったすえ
奥さんがいないと、名前を呼び続ける。
デイサービス利用も一人では拒否。
奥さんが、デイサービスに毎回付き添う。
何のためにデイサービス?"
今の時代なら、
こんな我儘な男性は
アッという間に追い出されるでしょうし、
そもそも、そんな男性も存在しません
(存在させてもらえません?)

自分自身でも思い出します。
父親が帰宅すると、母親がスーツをかける。
もちろん、靴も母親が磨いていました。
出張の準備も母親がしていました。
そんな文化が、どんどんなくなっています。
帰宅すれば自分でスーツは掛けます。
もちろん、靴は自分で磨きます。
出張の準備はもちろん自分で行います。
夏服・冬服の入れ替えだって自分でします。
自分より若い世代であれば、
子育て・料理・掃除でさえ分担制です。

この国には、日本女性なんて
いなくなったのかもしれません。
しかし、そんな現代の女性のお陰で、
"奥さんがいなければ、何もできない困った男性"も激減です。
今後は、
奥さんが亡くなってから
急激に認知症が進行するケースも減るかもしれません。
そう考えると、日本女性の絶滅も
悪い話ではないのかもしれません。

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カテゴリー:認知症専門外来

若いころは、低血圧だった!

投稿日:2017年8月16日

血圧は、年齢とともに上がります。
その中でも、遺伝的素因を持った人は
50歳前後で、高血圧を発症します。
そのため、降圧剤がない時代、
高血圧の素因を持った人は
50歳前後で亡くなっていたのです。
昔は、日本人の死因の第一位は脳血管障害。
中気、中風ともいったものです。
高血圧を放置して、50歳代で死去。
結果、戦後しばらくは平均寿命が60歳前後で推移していたのです。
現在は、脳血管障害は死因の3位。
平均寿命が80歳を超えたのも
やはり適切な血圧のコントロールのお陰と言えます。

外来で50歳前後の女性に
『血圧が高めですね』とお話しすると
不思議とみなさん同じ言葉を発せられます。
『昔は、私は低血圧だったのよ!』と少し不満げです・・
一般に、低血圧とは、最高血圧が100mmHg未満をいいます。
10代~30代の若い女性の約20%、
小・中学生の約5~10%は低血圧だと言われています。
"ですから、昔は低血圧だったかもしれません・・
しかし、それは若い女性の話で・・
今はそれなりに年を取って・・
動脈硬化変化も出てきて・・・
高血圧の遺伝素因もあって・・
現実に、高血圧なんですから・・・"
をマイルドに、気を悪くしないようにお話しするのは
結構、気を遣うものです。
やはり、女心は難しいものです。

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カテゴリー:病気

女子高生を嫌う人はいない!?

投稿日:2017年8月14日

以前、"もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら"
(通称もしドラ)の著者岩崎夏海さんのお話で
『世の中に17歳女子高生を嫌う人はいない!
だから、主人公を女子高生にしたんだ!』とおっしゃっていました。
確かに、もしドラの主人公を
"20歳代の若手サラリーマン"に設定することも可能だったのです。
しかし、それであったらミリオンセラーになることもなかったでしょう。
自分でも、若手サラリーマンが主人公なら興味すら持たなかったと思います。

さすが、ヒット作を生み出される著者は
そこまで考えて本を書くんだと感心したものです。
もしドラが出版されたのが、2009年12月
やはり最近も女子高生が主人公である本が流行っています。
2013年12月の『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
2016年8月公開の、『君の名は』はいずれも、女子高生が主役です。
そして、さらにその流れに乗りそうなのが、
2015年6月19日発売の、「君の膵臓を食べたい」です。
2017年8月に映画が公開され、やはり主人公は女子高生です。
自分も、わが家の女子高生、三女に勧められ
一気読み、翌日映画を観て、帰宅してからkindleでアニメも購入。
あっという間に、魅了されてしまいました。
どうも作り手にまんまとはめられてしまったようです。
患者さんの中にも、
女学校時代の話をいつもされる方が
たくさんいらっしゃいます。
やはり、本人にとっても輝いていた時代であったのでしょう。
ちなみに
明治、大正生まれの女性の方が女学校とは、
義務教育である尋常小学校6年と高等小学校2年の計8年の後、
学業成績が良く、経済的に可能であれば女学校(4〜5年)を受験したそうです。
概ね女学校≒今の女子高生であったようです。

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カテゴリー:映画

歯周病予防は認知症予防

投稿日:2017年8月11日

歯周病というと歯科医の領域と思われがちです。
しかし、最近では歯周病こそが
多くの内科疾患の原因であることがわかってきています。
もともと、口の中には、100億の細菌がいます。
(肛門にいる菌の数より多く、清掃状態が悪い人は1兆を超えるそうです)
これらの細菌が、口の中の毛細血管から全身に回り、
血管内で炎症をおこし動脈硬化を引き起こします。
その結果、歯周病の人は、脳梗塞・心筋梗塞の確率が3倍高くなるのです。
また我々医師は
"糖尿病患者さんは歯周病などの炎症疾患になりやすい"と認識していました。
しかし、今はこの考えは全く逆になっています。
『歯周病を持つ人は糖尿病になりやすい』
難しい話になりますが、
歯肉炎により産生される炎症性サイトカインが、
血中に入り込みインスリンの働きを阻害することで
結果、糖尿病になるのです。
現在、糖尿病は予備軍を含めると約2000万人を超えると言われています。
糖尿病は認知症の中でも
アルツハイマー型認知症
血管性認知症の
どちらの原因にもなります。
つまり、糖尿病を介して
歯周病が認知症の原因であるともいえるのです。
歯周病は、以前は「不治の病」とさえ言われていましたが、
現在では進行を阻止することが可能となり、健康を取り戻すことも可能です。
治療の基本は、
歯周病の原因である歯垢をためない、増やさないです。
これからは、医科のクリニックの一室で
歯科医や歯科衛生士さんによって
歯周病予防が行われる時代が来るかもしれません。

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カテゴリー:認知症予防