笑顔のキャッチボール

講演で、内容に応じてうなずいたり、笑ってくれる聴衆がいると、演者も乗ってきて講演会の雰囲気が良くなってきます。

時々、何を話しても、笑顔一つ見せずに難しい顔をしている方が見えます。正直、演者としてやりにくいものです。

そんなときは、聴取も参加して“表情筋トレーニング”を無理やり行います。

人間は脳神経の7番目の顔面神経によって、額、目の周囲、頬、口の周囲の筋肉を使って表情を作っています。表情筋を動かすことでとても表情が豊かになります。

したがって笑顔の少ない方が、表情筋トレーニングを行うと最初うまく動かせていないこともあります。

しかし定期的に行うことで表情筋は鍛えられ、とても素敵な笑顔が作れるようになります。

こんな言葉があります『幸せだから笑うのではない、笑うから幸せになるのだ』。

笑顔が素敵な人の周りには、笑顔が素敵な人が集まってきます。結果として幸せになるのです。

まさに笑顔のキャッチボールです。

難しい顔をして講演を聴いている貴方、まず表情筋を使って笑顔を作ってみませんか?

誘われたら断らない

認知症予防の一つに、社会的ネットワークの構築があります。

その危険因子として

  ①手紙・電話をしない

  ②友人や親族を訪ねない

  ③外出しない

  ④社交的でない

という事柄が挙げられています。

講演で良くお話をするのですが、人に誘われて講演会に参加されている方々は、一つハードルをクリアしているかもしれません。

天気の良い日や、休みの日に講演会に出かけない理由をつけることは簡単です。しかし、何らかの理由をつけて、出てこない人こそが認知症の危険因子を持っているのです。

社会的ネットワークを構築するコツがあります。“誘われたら断らない”です、これを続けると、ネットワークがどんどん広がり、新しい世界を知ることができます。

認知症のご家族には、“うちの親はプライド高い”“うちの親は人付き合いが下手”といわれる方が多くいます。若いうちから社会的ネットワークの構築に努力したいものです。その事が認知症の予防につながるのです。

講演を基にした、人間関係のネットワーク

認知症や在宅医療を中心に年間30回程の講演をさせていただいています。

11月29日(日)にも愛知県の大口町で『わかって!認知症 ~医療・介護現場の原状~』というテーマで約2時間お話をさせて頂きました。参加者も300人程度で大変反応も良かったようです。

大口町には3年9ヶ月前にも呼んでいただいています。一度講演をした場所から再び声をかけていただくことは嬉しいものです。大口町からは遠方にも関わらず10名ほどの患者さんが定期的に当院に受診いただいています。ありがたいことです。

大口町での最初の講演を紹介してくれたのは、何と岐阜県中津川市付知町の講演を聞かれた方が、愛知県大口町の知り合いに紹介してくれたことが御縁です。年間の講演の殆どが講演の聴衆の方々からの紹介です。

さらに日本福祉大学専門学校および中部学院大学の非常勤講師の話もやはり講演が縁となっています。

講演を基にした、人間関係のネットワークに感謝です。

人間関係のネットワークの強化

人間は20歳を超えると1日10万個神経細胞を失います。はっきり言って、ぴんと来ないと思いませんか?

一度計算をして見ましょう。

 

             1日10万個・・1年で3650万個=0.365億

             50年で・・0,365億個×50年=18.25億個

 

先回、人間の神経細胞は180億個とお話しました。つまり50年たっても1割程度失うだけです。

脳の重量も加齢により約10%減少します。

つまり、年を取っても残り90%の働かせ方を知っていれば認知症になることなく、生活する事は可能です。

1日に10万個失われることは気にする必要はありません。それより、減っていく神経細胞を補うネットワークの構築に努めるべきです。

そのためには、いくつになっても積極的社会参加して、常に新しい刺激を脳に与え続ける必要があるのです。

実は、その事が人間関係のネットワークの強化にもなって行きます。

扁桃核を中心としたネットワーク

男女が双方好意を持つことを想像しましょう。

実は、人間が人を好きになることは、理屈ではありません。大脳の辺縁系にある扁桃核を中心としたネットワークにより快か不快かを判断します。

成人した男女が双方で好意を持つとき、3歳までに形成されたネットワークを使って他人を好きになっているのです。

つまり男女それぞれには、3歳までのネットワークを形成した両親を始めとする周りの人間が存在するのです。

そんな事を考えると、互いがとても愛おしくなりませんか?

そんな男女が、結婚して再び子供ができ、再び新しい神経ネットワークを形成する。こんな事を人類は続けているのです。