介護保健施設(老人保健施設)

介護保険の施設系サービスのもう一つの代表的なものには、老人保健施設があります。

もともと老人保健施設は、病院と在宅の中間施設の位置づけになっています。

そのために、本来は3ヶ月程度の入所が原則です。

しかし、現実には入所者確保のために“最後まで入所可能です”と説明している施設も多くあります。

また、3ヶ月毎に、老人保健施設同士で、利用者さんを回転しているケースもあるようです。

特別養護老人ホームと大きく異なる点は、医師が常駐している点です。

このことは、一見魅力的に思えます。

しかしそのために、施設内の医療行為が、介護保険料に含められてしまいます。

結果とし、高い薬を飲んでいる利用者さんは敬遠されるケースもしくは、薬を中止されるケースがあります。

特に認知症の進行予防のアリセプトは中止されるケースが多いようです。

パーキンソン病の治療薬は高価ですが、中止・減量が難しいため、3ヶ月毎にいったん退所して、病院受診して、薬を3か月分処方します。

ご家族の中には、特別養護老人ホームも老人保健施設も区別無く、申込をされる方も見えます。

やはり、老人保健施設のほうが若干待ちは少ないようです。

特別養護老人ホームも老人保健施設の両施設にバランスよく申込をして、老人保健施設で特別養護老人ホームの入所を待つ事も一案です。

介護保健施設(特別養護老人ホーム)

皆さん、介護保健施設をご存知でしょうか?

介護保険は、在宅系サービスと施設系サービスに分けられます。

施設系サービスの代表的なものには、特別養護老人ホームと老人保健施設があります。

特別養護老人ホームは、介護が必要な方でも特に重度介護者が対象となります。

一般的には、介護度が3以上となります。

したがって、認知症の場合、運動機能が自立している状態では、相当認知症が進んでいない限り、介護度は2以下となるため、適応外となります。

しかし、認知症の患者さんもいずれは運動機能が低下していきます。

その場合は、認知症に運動障害が加わるため、介護度は一気に3以上となります。

したがって、認知症が軽度のうちは、次回以降に述べるグループホームや有料老人ホームで生活し、重度化した時点で特別養護老人ホームに変わることも一つです。

特別養護老人ホームの利点は、一度入所すると、死ぬまで診てもらえる事です。

そのため、入所待ちは、常に何百人となっている所が多いようです。

周辺症状の治療困難例?

前回、半分から2/3の症例で、周辺症状がコントロールできるとお話しました。

しかし、残念ながら周辺症状がコントロールできないケースもあります。

その場合、在宅生活を継続する事は極めて困難となります。

この場合、どこに入所もしくは入院するかの選択が重要となります。

まず、考えることは、介護保険施設で対応できるか否かです。

周辺症状が薬物でもコントロールできないわけですから、通常の介護保険施設では対応できない事もあります。

その場合、ケアマネやご家族は、いくつもの施設で断られ、途方にくれてしまいます。

その場合、精神科病院の入院を検討されていかがでしょうか?

入院ですので、医療保険に基づくため、主治医から紹介状が必要となります。

認知症の状況、周辺症状のコントロールが困難である点、介護施設での介護が困難な点を記載してもらいます。

そうすると、ベッドの空き具合では入院が可能となります。

以上の流れは、ケアマネさんには良く、お話させていただいています。

ケアマネとは、介護保険の枠にとどまることなく、社会資源を有効に使う必要があるのです。

精神科入院後、状態が落ちつけば、再び在宅に戻っていただくか、その間に次の施設を探す事になります。

この期間を次の準備のために有効に使う必要があります。

周辺症状の治療 ②

漢方や介護的対応でも周辺症状が改善されない場合、統合失調症に使われる抗精神病薬を使用することもあります。

通常、アルツハイマー型認知症の場合、セロクエルやリスパダールを眠前もしくは朝晩で0.5錠から1錠使用します。

血管性認知症の場合は、グラマリールを用います。

効果判定は1週間前後で評価します。

効果は、

「変わらない」

「周辺症状が改善した」

「効きすぎて、傾眠」

の3つです。

変化がなければ増量、効き過ぎれば減量します。

1週間以内の調整を数回行うと、半分から2/3の症例で、周辺症状がコントロールできます。

世間では、認知症は治療しても効果がないと思われがちですが、周辺症状がコントロールできるか否かは、在宅生活継続できるか施設入所になるかのポイントになります。

一度は、専門医の治療をお薦めします。

周辺症状の治療 ①

周辺症状の治療には、軽度の場合、漢方薬である抑肝散を使います。

一時、抑肝散が認知症の特効薬のように報道された事がありますが、中核症状の効果はあまり期待できません。

どちらかというと周辺症状の抑制に効果があります。

漢方にしては、比較的効果も早く発現します。

ただし、最近の漢方には錠剤もあるのですが、抑肝散にはありません。

粉は大変飲みにくいため、錠剤の開発を待ちたいものです。

周辺症状は、介護的な対応で改善する事もあります。

一つの事に固執して興奮状態になっている患者さんの視点を、別に向けていただく事で落ち着く事もあります。

なかなか、24時間365日終わりの無い、家族介護者に要求することは難しいものです。

グループホーム入所後に、認知症患者さんが良くなるケースの殆どは、ゆったりとした雰囲気・介護により周辺症状が改善することによります。