関心=愛情 ②

認知症の患者さんに関心を持たれたご家族は、自宅でも皆で対応してくれます。

孫も含めた家族が、患者さんに声かけをします。

同居していなければ、電話をかけたり、休みの日に訪問します。

介護保険も積極的に利用します。

多くの患者さんは介護保険の利用を嫌がります。

しかし介護保険を利用して認知症の進行を抑える事が、本人さんのためになります。

日中、誰とも口を利かずにTVを見ているだけなら、間違いなく進行します。

逆に、毎日近所の方と集うコミュニティがあれば介護サービスの利用は不要です。

しかし、最近はこのようなコミュニティは減ってきているようです。

認知症の患者さんで介護度①の方は、週に2-3回のデイサービスの利用や、1-2ヶ月に1回程度のショートステイの利用は、ご家族および患者さんの双方の負担を考えるとベストだと思います。

薬物治療と介護サービスの利用そして家族の関心(=愛情)があれば、かなりの高率で認知症の進行は防げると思われます。

関心=愛情 ①

遠方から来院される患者さんは、ご家族と一緒に来院されます。

ご家族に付き添われた患者さんは心なしか嬉しそうです。

1時間前後の移動時間の中、いろいろな会話をされてきたようです。

ご家族の中には、会話のなかで、認知症の進行に気付かれる方も見えるようです。

しかし、診察後にはお昼御飯をどこで食べていくかなど話し合って、嬉しそうな様子も伝わってきます。

患者さんと接することの少ないご家族にとっては、遠方への受診も悪くないのかなと感じます。

実際、遠方からの患者さんの方が認知症の改善が多いように感じます。

それは何故でしょうか?

想像するに、ご家族の“関心”ではないでしょうか?

親御さんを心配して、少しでも評判の良い医師に見てもらう。

そして1時間かけて受診する。

これは、関心と愛情がなければ続きません。

何より、愛情の反対語は、無関心と言われています。

認知症の患者さんに関心を向ける。

その事こそが、最大の愛情だと思います。

土曜日の外来

当院の土曜日の外来は、遠方からの患者さんが多くなります。

通常の開業医の場合、内科では営業エリアは500m、整形外科等で1-2kmと言われています。

そのような中、50km以上も離れ地域から当院に受診、その後定期通院していただけることは大変ありがたい事です。

具体的には、岐阜県の下呂市、中津川市、岐阜市、各務原市、愛知県大口町などから1時間以上かけて受診いただいています。

隣接した、多治見市、瑞浪市、御嵩町からでも30分以上はかかりますが、当院では普通に受診いただいています。

遠方からの患者さんが、土曜日には10人以上も見えます。

やはりご家族の都合で土曜日に集中するようです。

皆さんの期待を裏切らない、診療を提供するように努力したいと思います。

グループホーム ③

先回まで、紹介したように、認知症の介護においてグループホームは一つの理想だと思われます。

しかし実際は、いくつかの問題があります

運営する業者によって差がある点です。

現在、当院では、4箇所のグループホームの協力医をしています。

同じ、グループホームでありながら、運営法人によって理念にかなり差があるようです。

具体的には、住居環境、スタッフの質、入居者の選定、入院の際の対応方法、費用を含めて相当違いがあるため、入所に際しては情報収集が必要です。

しかし現実には、どこも定員が一杯であり、情報収集しても選択できないのが実態です。

次いで、重症化にいかに対応するかです。

入居者さんは、確実に年を経ると重度化します。

入居時に歩けて、多くのことが出来た入居者も確実に日常生活動作は落ちていきます。

そこで皆さんに一つ施設見学においてもコツをお教えします。

見学の際に、車椅子や大声を出している入居者がいると、出来ればこの施設は避けたいと感じませんか?

しかしこれは見方を変えれば、そのような状態になっても看てくれる施設であるという証明です。

逆に、一見皆が元気で、レクリエーションに参加している風景は、家族にとっても心地よく写ります。

しかし逆に少しでも日常生活レベルが低下すると、退所を求められる可能性もあるのです。

グループホーム ②

両親を施設にいれるには、悩みや葛藤があるようです。

しかし認知症の在宅介護はいつ終わるとも知れないものです。

そこに、入居を決心するまでの葛藤、入居されてからの罪悪感が生まれます。

しかし、認知症患者さんが、自宅で刺激も受けずに認知症が進行することが多いのも事実です。

ご家族もいつも患者さんの相手をする事はできません。

生きていくためには自分達の生活を守る必要もあります。

自宅では、家事一切を一人では出来ないため、何もされていない方が多く見えます。

その方々も、スタッフと一緒であれば、かなりの事ができるのも事実です。

実際キャベツを切ってもらうと大変上手に切っていただいたのですが、目を離した隙に一玉全部切ってしまったケースもありました。 

このように施設内で、スタッフから刺激を受け、残存能力生かしてできる事をしていくことで、入居者さんの認知症の症状が改善する事が多いようです。

そう考えるとグループホーム入所も一つの選択ではないでしょうか?