資格取得のための、記憶を理解した勉強法③

グループ学習を取り入れ、過去問重視で参考書を勉強する際に気をつけることは、

簡単に流して、繰り返す

ということです。

これも真面目な方に多いのですが、

“一つのことにじっくりと時間をかけて”

取り組む方が見えます。

実は、これも記憶と時間の関係を考えれば理解できます。

じっくり時間をかけようが、簡単に流そうが、最初に入力された記憶は“即時記憶”であり、1週間で完全に消失されます。

これを防ぐには、“復習重視”です。

じっくりと時間をかけるより、軽く流して3回行う方がはるかに意味があります。

復習により、即時記憶が短期記憶化されます。

つまり大脳皮質前頭野から海馬に移動するわけです。

さらに勉強を繰り返すうちに、一つの情報を多方面から捉えるようになれば海馬の記憶が、大脳皮質にも蓄積され長期記憶化されます。

以上より試験勉強は“グループ学習で過去問重視の復習重視”が重要です。

いきなり勉強を始めるのでなく、勉強方法の戦略を立てて取り組みましょう。

実は、このことは資格を実務で生かす際にも重要です。

実社会でも、じっくりと仕事に取り組むために、時間がかかる方が見えます。

しかし実際は、多くの仕事を抱えている人の方が、決め細やかで漏れも少なく周りの評判が良いケースが見られます。

ナポレオンは“重要な仕事は一番忙しいものに頼め”とまで言っています。

実務も試験と同様に、取り組む前にいかに戦略を立てて、有効に時間を使うかにかかっています。

是非、試験勉強を単なる試験勉強に終わらせず、実務に生かせるような“頭の使い方”をマスターする機会にされることをお薦めします。

資格取得のための、記憶を理解した勉強法②

試験勉強の際、分厚い参考書をいきなり読み始め、直ぐに挫折される方が見られます。

実は、試験勉強は、問題集、特に過去門からはじめるのが鉄則です。

ご存知でしたか?

資格試験等を取得する際には、当然の勉強法ですが、案外のこの鉄則を知らない方が見えます。

これも実は先週紹介した、エピソード記憶の意味記憶化で説明できます。

漠然と、参考書を読むことは、単なるエピソード記憶をなぞっているに過ぎません。

エピソード記憶は、当然ですが、直ぐに失われてしまいます。 

しかし、先に問題集を終えてから、参考書を読むとどうでしょうか?

「参考書の文章が、実際の問題では、どのような形になって問題になるか?」

を理解しながら読むと、単なるエピソード記憶が意味記憶に変わるのです。

このような勉強法を続けると、参考書の中で過去の問題で出題されていない部分が、次に問題として作られるのではないか?と予想できます。

こうなると、相当の確率で合格できるようになります。

もうひとつ問題を作成する側から考えてみましょう。

最近、学生向けに社会福祉士の予想問題を自分が作ります。

この際に、気をつけることは、自分の専門分野に偏らないように作成しますが、一方で得意分野は必ず出題するということです。

つまり出題委員は、全体を網羅するが、必ずその専門分野を出題するということです。

したがって過去の問題を繰り返すうちに、高頻度で出題される分野に気がつくようになれば、合格率はさらにあがります。

資格取得のための、記憶を理解した勉強法①

先週は、記憶についてのお話をご紹介しました。

今週は、記憶を理解した上での、資格試験等の取得に向けた勉強方法をご紹介します。

受験や資格試験の際には、いわゆるまじめで教室でも一番前に座り、もちろん欠席もしない人が、案外試験に落ちることがあります。

最近、社会福祉士や介護福祉士の養成学校で授業を教えていても、同様のことが見受けられます。

これは、先週ご紹介した“情報のインプットとアウトプット”で説明できてしまいます。

通常、まじめといわれる人達は、情報のインプットに偏ってしまう傾向があるようです。

酷な言い方ですが、試験結果に結びつかない勉強、いわゆる情報のインプットは意味がありません。

どこかで気付いて、情報のインプットとアウトプットのバランスが必要です。

我々も医師国家試験の際に、グループで勉強したものです。

時間効率という点では、一人で勉強したほうが効率的です。

しかし、自分でインプットした情報を、グループ学習内でアウトプットする事で情報が記憶として蓄積されていたのです。

これから、資格試験に望まれる方、仲間を誘ってのグループ学習も有効と思われます。

即時記憶の短期記憶化さらには長期記憶化

情報を脳内に記憶として保存するにはいくつかの段階があります。

たとえば電話番号などの数字を数秒間覚えるような、極めて短時間の記憶を、即時記憶といいます。

これは大脳皮質前頭葉を中心に行われます。

通常ではこのような電話番号はすぐに忘れてしまいます。

しかし、これが大切な相手の電話番号となると覚えておこうとします。

“大切である”という情報とともに海馬に電話番号の情報が入っていきます。

この情報は海馬の中にとどまり、何らかの情報の処理と符号化が行われます。

この期間は数秒から、数分、数時間、数日かかるといわれます。

2年間も留まる情報もあるともいわれています。

この段階を短期記憶と呼んでいます。

記憶にかかわる信号が海馬の中にとどまっている間に、脳に蓄積されている他の記憶情報と関連づけられて新しい記憶として大脳皮質に蓄積され、これが比較的長く保たれる記憶となります。

この段階が長期記憶です。

つまり、即時記憶を短期もしくは長期記憶化する事が重要です。

具体的には、復習です。

一度聞いたり読んだりした情報を、即時記憶が完全に消失する1週間以内に、再度復習します。

そうすると記憶は短期さらには長期記憶化することで長く留まる事になります。

認知症や物忘れの予防のためにも、常に情報の復習がお薦めです。 

エピソード記憶の意味記憶化

記憶には種類があります。

頭で覚える記憶としては、

「昨日Aさんと上野動物園に行ってパンダを見ました。」

というような、日常に起こるエピソードの記憶、

「パンダは熊のような動物で、目の周りが黒く、笹が好物である。中国の四川省に多く生息している」

というような意味記憶があります。

認知症になると、エピソード記憶が低下します。

一方で意味記憶は、比較的保持されます。

言い方を返れば、エピソード記憶を出来るだけ意味記憶に変えることで、記憶を長期にわたり保持できるともいえるのです。

例えば、講演や授業を漠然と聞いていては、単なるエピソード記憶です。

しかし、同じ講演でも、“十周年記念の特別講演で、景子ちゃんという子供さんを6歳でなくされた演者が、情熱的に必死になって話をされた。

スタッフも皆涙し、心が満たされた”と認識したらどうでしょうか?

その記憶は、極めて強固なものとなり、なかなか忘れないのではないでしょうか?

常日頃のエピソード記憶を出来るだけ、意味づけをする事で意味記憶にする習慣をつけてみてはいかがでしょうか?