介護支援専門員(ケアマネージャー)②

特に認知症患者さんの場合は、いかに社会的に参加するかがポイントになります。

できれば、週に3-4回程度の通所系のサービスを組む事によって、刺激を受けることが、認知症の進行予防にもつながります。

しかし、認知症の患者さんによっては、通所サービスに出かけることに拒否を示す事もあります。

その場合、関与する時間は、短くなりますが訪問介護(ヘルパー)によるサービス提供も必要になります。

また、ご家族の介護負担軽減のために短期入所生活介護(ショートステイ)の利用も不可欠です。

残念ながらこれも利用拒否されることが多いようです。

しかしいずれのサービスも同じですが、認知症患者さんの場合、いきなり理想のサービスを全部使ってもらいたいと焦らずに、少しずつ利用を促すことが重要です。

不思議と、サービス利用を拒否されていた患者さんも半年から1年かけて、お薦めすると、不思議と利用いただけることがあります。

但し、認知症の周辺症状として暴言、暴力行為、妄想等が強く、サービス利用を拒否している場合は、医師による周辺症状のコントロールが必要です。

周辺症状を調整することで、スムーズな利用が可能です。

この点も、ケアマネージャーが認知症の理解を深める事が重要な理由です。

そのため、私は、ケアマネージャーに先週紹介した、認知症ケア専門士の資格取得をお薦めするのです。

介護支援専門員(ケアマネージャー)①

先週に続いて、認知症関連の資格を紹介します。今回は介護支援専門員です。

通称はケアマネージャー(ケアマネ)と呼ばれます。

公的資格であり、居宅介護支援事業所・各種施設に所属し、介護保険制度において要支援・要介護と認定された人に対して、アセスメントに基づいたケアプランを作成し、ケアマネジメントを行う職業です。

介護全般に関する相談援助・関係機関との連絡調整・介護保険の給付管理等を行います。

介護支援専門員として登録・任用されるには都道府県の実施する「介護支援専門員実務研修」を受講する必要があり、研修を受講するために「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。

受験資格には5年以上の実務経験が必要とされます。

無経験でヘルパーとして非常勤で仕事を始め、3年で介護福祉士の資格を取りリーダとして現場経験をふみ、さらに5年終了後ケアマネージャの資格を取得される方も見えます。

まさに介護職は、本人の努力とやる気でスキルアップが可能です。

自分では何も努力しないで、待遇や職場環境に文句を言う前に、資格取得をすれば、評価されるのが介護現場です。

多くの人に、研鑽を望みます。

介護保険を利用する利用者にとって、ケアマネージャーは病院の主治医のようなものです。

通所介護や自宅介護などの介護を受ける際に、どのような介護が必要かを判断し、計画を立てます。

実際の介護は介護士が行うので、ケアマネジャーはプランをたてるだけです。

丁度、病院で、検査や治療の計画は主治医がたて、実際に血液をとったり、薬を渡したりするのは看護師が行うようなものです。したがって、利用者さんが認知症である場合は、認知症の疾患に対する知識が不可欠になります。

認知症ケア専門士

今回は、認知症ケア専門士を紹介します。

介護は大きく分けると身体介護と認知症介護に分けられます。

身体介護については、現場でもコンセンサスが得られていますが、認知症ケアは現場でも手探り状態です。

そこで認知症ケアの統一した知識を共有するために作られた資格が認知症ケア専門士です。

日本認知症ケア学会が認定する更新制の資格(民間資格)ですが、これはとてもお薦めです。

 実は、私も受検しました。

認知症ケアですので、あくまで介護と考えると、医師が受験する必要性はないのかもしれません。

しかし診療の現場で、患者さんのご家族からの質問の多くは、認知症の医学的な側面以上に、ケアつまり介護についての質問が多いものです。

そのために、受検し、無事合格しました。

確かに、国家資格ではありませんが、勉強自体が大変ためになります。

受験資格は、3年以上の認知症ケアの実務経験(教育・研究・診療を含む)を有する者です。試験は1次試験が筆記、2次試験が面接と論述です。

おのおの年1回とし、筆記試験は夏、面接試験は秋に行なわれています。

1次試験は大きく4分野に分かれており、それぞれに指定テキストがあります。

そのテキストが大変良くできています。

医療・看護・介護・福祉がバランスが良く網羅されています。

自分もいくつかの資格試験を受けてきましたが、試験勉強自体が現場で生かされた点ではナンバーワンです。

決して、資格取得で給料が上がるものではありませんが、介護福祉士さんやケアマネさんには、スキルアップのためにもお勧めの資格です。

介護福祉士

先回、ホームヘルパーの資格は国家資格ではないと紹介しました。

介護業界における国家資格としては「介護福祉士」があります。

介護福祉士は介護福祉士の名称を用いて、“専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害がある者に対し介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう”。

つまり、現場においてもリーダ的な働きが要求されます。

介護福祉士国家資格を取得するには、養成施設に2年通うか、3年以上の実務経験を積んだ上で国家試験を受ける必要があります。

平成23年(2011)より養成施設を修了し資格取得する方法が廃止され、国家試験のみとなります。

確かに、現場で働きながら、資格取得をしていたスタッフに比べ、養成施設に通っただけで無試験で資格が与えられていた点には疑問を持っていました。

妥当な流れだと思います。

また、将来的には“ホームヘルパーの資格を廃止し、国家資格である介護福祉士一本化”する予定もあります。

介護福祉士一本化するに当たり、ホームヘルパー2級の研修を終えた人は、実務経験1年以上が150時間、1年未満は350時間。の追加研修で介護福祉士への移行できるように検討しているとの事です。

これも現場からは、従来のヘルパー資格では仕事ができなくなるとの不安の声が聞こえますが、試験もない修了資格だけのヘルパー資格だけでは現場で十分な対応はできなくなっています。

これも新しい時代の流れと前向きに捉え、更なるスキルアップのために介護福祉士を目指されることを希望します。

当グループでも、非常勤で入職し、現場経験3年後、介護福祉士の資格を取得したスタッフがたくさんいます。

その多くが、リーダーさらには責任者となって活躍している姿には頭が下がります。

ホームヘルパー資格

先週までは資格取得の際の、脳の使い方をご紹介しました。

今週は、認知症に関連する具体的な資格についてご紹介します。

介護系の資格として、最初に取得されるものにホームヘルパーがあります。

ホームヘルパーを目指そうとする人の中には、ホームヘルパーの資格が国家資格であると勘違いしていたり、資格取得には試験が必要だと思っている方がいますが、厳密に言うとホームヘルパーの「資格」というものは存在しません。  

しかし、介護保険制度では一定の養成研修を受けたホームヘルパーだけがサービスを提供できます。

そのため、介護保険事業者でホームヘルパーとして働く場合はホームヘルパー養成研修を受ける必要があります。

つまり、一般にホームヘルパーの資格と言われているのは、養成研修を修了したという意味になります。

したがって講習を受講して、5日程度の実習を終了すれば誰でも修了書を受け取る事ができます。 

その為、一般的にはヘルパー資格に対しては、とくに資格手当等の支給は行われないことが多いようです。

しかし不況業種等から一念発起して取り組む際の介護業界への第一歩であることは、変わりません。介護業界は高給ではありませんが、景気の影響はあまり受けません。

未経験者の収入は確かに低いですが、経験と資格取得で確実に収入は増えます。

何より利用者から感謝されながら仕事をすることは無上の喜びです。

新卒者、転職者にかかわらず、目先の収入にとらわれない、長い目で見た就業を希望します。

中日新聞の『発言』に掲載された、私の記事“やりがい多い介護士の仕事もご覧下さい。