ピック病で行動異常?

みなさん、ピック病という病気をご存知でしょうか?
難しい言葉でいうと、前頭側頭型認知症と言います。
原因ははっきりとはわからないのですが、
脳のなかの
前頭葉と側頭葉の神経細胞が壊れていくことによって、
いろいろな症状が出てくる認知症です。
初めに現れる症状は、
他人に配慮することができないとか、
周りの状況にかかわらず、思った通りの行動をしてしまう、
といった性格変化や行動異常であって、物忘れではありません。
そのため、認知症とは認識されずに
単に性格が変わっただけと思われ、
病気の発見が遅れがちになります。
医師自身もこの病気への認識がなく
せっかく受診しても
認知症の症状がないために
正常と判断されてしまうこともあります。

しかし、
行動異常によりルールを守ることができなくなり、
店のものを断りなくもってきてしまう、
交通ルールを無視して赤信号を通過してしまう、
女性のお尻を触ってしまう、
公衆の面前で立小便をした方もいらっしゃいました。
このほか、こだわりが強くなったり、
毎日決まった時間に決まったことをする、といった症状が起こります。
そのため、家族の負担は尋常ではありません。

認知症専門外来の印象では、10%前後の頻度と思われます。
ほかの認知症より若年で発病することが多く、
65歳未満で発症する若年性認知症のなかでは
血管性認知症、アルツハイマー病に次いで、3番目に多い病気です。
従来は、ほとんどの方が70歳頃までに発病すると言われていましたが、
外来の印象では、高齢化に伴い
70歳以上の発症例も増加しているようです。
過去には、公務員の患者さんが
万引きをして、懲戒免職
その後、ピック病の診断がついたケースもあります。
あまりにおかしな行動をとるようになったら
頭に浮かべてほしい病気です。


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