着衣失行

先回まで、住と食の重要性を紹介しました。
今回は、衣食住の”衣”の話です。
衣食住の中では比較的軽視されているようですが、
認知症外来をやっていると、関わらないわけにはいきません。
皆さん、”着衣失行”って知っていますか?
比較的認知症の初期から出現する症状です。
難しい言葉で言えば、
“運動麻痺や高次機能障害に伴わない着衣障害”を着衣失行といいます。
着衣失行の症状は、
上着やシャツを着る際にその裏表、上下、左右が逆になったり、
ボタンを掛け違えたりします。
実際の臨床では、
一度に10枚近い服を重ねて着たり、
シャツの上にシャツ、セーターの上にセータなど
めちゃくちゃです。
さらに、季節感も欠如するため
真夏でも、重ね着をして熱中症になる方もいらっしゃいます。
あまりに無茶苦茶に大量の重ね着をすることで
動きずらくなり転倒・骨折につながるケースさえあります。

でも考えてみてください。
服を着るって何気なくやってますが、難しいと思いませんか?
下着を着て、シャツを着て、靴下をはいて・・・
それぞれに色や柄も組合わせます。
そのうえで、季節感をも考慮するのです。
我々は、毎日すごい作業を何気なくやっているのです。

ちなみに、奥さんが着衣失行になると
旦那さんが服を着せられます。
自分など、女性にどんな順番で何を着せればよいか自体わかりません。
患者さんのご家族には、
いつも奥様に素敵な服装をさせていらっしゃるご主人もいらっしゃいます。
とても素敵ですが、個人的には、頭が下がる思いです。


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