転ばぬ先の杖 - 認知症専門医 長谷川嘉哉のブログ

認知症専門医師 長谷川嘉哉 ドクターズブレイン 長谷川嘉哉

困ったときは書き出そう

投稿日:2017年7月17日

スタッフが退職する際に送る言葉があります。
『人生、大変なことは重なる!』です。
これは患者さんの子供さんを見ていて感じます。
両親の介護問題に悩んでいるときに限って
子供の、学校・就職・結婚・出産が重なります。
その上、自身の仕事も忙しく
体調も少しずつガタがくる・・
あまりに同時に起こるために
時にパニックなったり
感情的になることもあります。

これは脳の前頭葉のワーキングメモリーが
パンクすることが原因です。
ワーキングメモリーとは
"何か目的を持って作業するときに使っている記憶であり、
パソコンで言えば、メモリーの働きをしています。
(ちなみにハードディスクは記憶を貯めておく"海馬"になります。)"
このワーキングメモリーの容量は小さく
せいぜい7つ前後と言われます。
したがって、
この容量を超えてしまうような
問題が重なると
パニックになることも、当たり前なのです。

ワーキングメモリーの容量が超えそうな時に
有効なことは、
視覚情報の力を借りることです。
簡単に言うと、メモをする・・
つまり書き出すことです。
頭の中だけで、思い悩まず
書き出すことで、
ワーキングメモリーが解放されます。
結果、脳は
本来の機能を発揮することができ
頭の中で混乱していた事柄に対して
冷静に判断ができ
対応ができるようになるのです。

『人生、大変なことは重なる!』
しかし、
『紙に書きだせば、思いのほか大したことではなく
対応策が見つかる!』を
旅立つスタッフに送るのです。

ワーキングメモリー3つの記憶.jpg

カテゴリー:脳の使い方