風邪は薬で治しません!

開業して間がない頃、”こんなことで受診される患者さんがいるんだ!“と思ったものです。

正直、病院に罹らなくても、自然に良くなるような患者さんが結構見えました。

当時は、小児も診察していましたが、受診者の80%は薬がなくても治る印象でした。

いくつか症状を、紹介します。

①     発熱・・熱は、ウイルス等を殺すために、必要があって出ているのです。薬は不要です。解熱剤を飲むなどもっ

         てのほかです。

②     鼻水・・鼻水も、鼻腔を洗い流すために出ているのです。薬は不要です。鼻はかんでもらえれば良いのです。

③     のどの痛み・・これも、自然治癒力によって、炎症が起きているのです。あえて、鎮痛剤を使用すると、

         治るまでの期間が長くなります。但し、咽頭に膿がついている場合は、抗生剤を使用します。

④     咳・・喘息などによる気管支狭窄に伴う場合は、気管支拡張剤を使います。“ヒューヒュー”と

         胸が鳴る場合以外は、薬は不要です。

⑤     痰・・受診される患者さんが、“痰”と言っている殆どは、鼻汁が喉に流れたものを言っています。38度以上の

         発熱、咳が伴う場合のみ、抗生剤を服用します。

⑥     下痢・・下痢も悪いものを出すために出ているのです。薬は不要です。

         下痢止めなどもってのほかです。

⑦     悪心・嘔吐・・これも悪いものを体の外に出すためのものです。薬は不要です。

        ただし、小児や高齢者が脱水になった時にのみ、補液を行います。

どうですか、上記を知るだけでも病院に行く機会は減ると思いませんか?

もちろん、夜間や休日にかかる頻度も減ります。

病気は、薬で治すものではありません。

自然治癒力で治すものです。

 土岐内科クリニックでは、消化器内科、神経内科の専門医療ならびに在宅医療の提供に心掛けています。

単なる、風邪患者さんよりも、専門的医療を必要とされる患者さんの予約を優先していることをご理解いただければ幸いです。

休日診療所

ゴールデンウイーク真っ盛りです。

そんな中、病気になったり怪我をした時に頼りになるのが休日診療所です。

岐阜県の土岐瑞浪医師会では開業医が交代で、土岐市駄知町にある休日診療所(9時から17時30分)を当番で回しています。

頻度的には、年に2回ほど廻ってきます。

今年も、4月22日(日)に行いました。

常日頃、自分の診療所でこだわりを持って運営しているものとしては、少々不満があります。

まず、本当に断熱性の悪い、古い建物です。

冬は寒く、夏は暑い。

待合室も狭く、隔離室もなく、かえって他の患者さんから病気をもらいそうです。

受付は、パチンコ景品所のように小さな小窓から、受付と患者さんがやりとりをしています。

最近の、オープンな受付からすると異様です。

強盗でも来るのでしょうか?

さらに、診療所にはレントゲンも心電図もありません。

もちろん緊急の採血も点滴もできません。

通常の自身のクリニックで行っている医療レベルに比べると、お粗末なものです。

正直、休日診療所で診られるものは、“様子を見ても治る病気”しかありません。

また、来院される患者さんも、何日も前から症状がある方が結構見えます。

休日診療所を『休日でもやっている診療所』 と勘違いされているようです。

休日診療所は、あくまで救急の疾患であることをご理解いただければ幸いです。

高価なMRIに負けない、ハンマーの有効性

皆さん、お医者さんの持ち物というと何を思い浮かべますか?

通常は、聴診器を思い浮かべるのではないでしょうか?

我々、神経内科医は聴診器だけでなく、ハンマー【打鍵器】を持ち歩きます。

写真のように、先がゴムで出来ている、たわいもない物ですが、これを使いこなすことで得られる情報は莫大です。

四肢の反射を、手軽に誘発することができる上、運動系(錐体路系)障害や末梢神経障害の診断の目安となるため神経学的検査として頻繁に用いられます

 使い方は、患者さんには上向けに寝てもらいます。

手足の力を抜いてもらって、太い骨格筋につながる腱を、筋が弛緩した状態で軽く伸ばし、ハンマーで叩きます。

すると、一瞬遅れて筋が不随意に収縮します。

この反射が、正常であるか、亢進しているか、左右差があるか無いかで診察をします。

これが観察しやすい箇所はいくつかあって、有名なところでは、膝蓋腱反射があります。

古い人では、“脚気の検査?”といわれる方が見えます。

これはビタミンB1不足により脚気になると末梢神経障害を起こし、反射が低下することで診断されるのです。

しかし、現在ではインスタント食品に偏った食事をしている方に脚気を見る事もありますが、頻度は少ないです。

それよりも、糖尿病による末梢神経障害の方が激増中です。

足の痺れを主訴として受診された患者さんの四肢の反射が低下しており、そこから糖尿病が見つかるケースも結構あります。

 また、同じ脚の痺れの患者さんでも、反射が亢進している場合は、脊髄の圧迫が原因である事が予想されます。

最近では、個人の開業医レベルの整形外科でもすぐにMRIを撮影する傾向がありますが、ハンマー一つあれば、MRIは不要です。

数千円の安いハンマーですが、何千万もするMRIに負けない診断をすることさえ可能なのです。

 長年、使えてくれているハンマー?に感謝です。

なぜADHDのある人が成功するのか?

皆さん、ADHDという病気をご存知ですか?

注意欠陥・多動性障害といい多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害です。

幼稚園などでは落ち着きがなく、先生がADHDの子ために取られてしまうほどです。

かつては子供だけの症状であり、成人になるにしたがって改善されると考えられていましたが、近年は大人になっても残る可能性があると理解されています。

その場合は多動ではなく、感情的な衝動性や注意力や集中力の欠如を認めます。

 実は、ネガティブな印象のADHDですが、起業家には結構見られます。

世の中の人は、大きく分けるとファーマーとハンターに分けられます。

一般社会では、ファーマーの方が多いのですがADHDは典型的なハンターです。

同じ環境でじっとしていることが出来ません。

個人主義の強い意識、高い創造性、物事を始める能力があるため、起業する方が多いといわれています。

 実は、私自身も軽いADHDだと思っています。

幼少期は、言葉が出ないため、母親は発話障害があるかと思ったほどです(今からは想像できませんが)。

更に、小・中・高校と毎日学校に行くことが嫌で、1ヶ月に1回は意味もなく学校を休んでいました(そのために、適当に学校に電話を入れてくれた母親も凄いです)。

今でも、講演やセミナーでじっと座っている事は得意ではありません。

特に、話の内容がつまらないと、気が狂いそうになり呼吸が荒くなるほどです。

その時は、スケジュール帳を出すか、本を読むことで気を紛らわせます。

 ちなみに、ADHDといわれている偉人には、発明王として知られるエジソン、絵、医学・建築・天文学などの分野においても天才的な才能を持っていたレオナルド・ダ・ヴィンチがいます。

さらには、アインシュタインもそうであったと言われています。

ADHDの症状にはさまざまなものがありますが、好きなものは寝食忘れて取り組んだり、一般人とはまったく違う発想力があるようです。
 現代のADHDとされる有名人では、俳優のトム・クルーズ、歌手のパリス・ヒルトン、スポーツ選手ではバスケットボールのマイケル・ジョーダンや水泳選手のマイケル・フェルプス、政治家の元アメリカ大統領ビル・クリントン、日本では黒柳徹子さんなどがそうだと言われています。

マイナスイメージばかりではなく、社会に名を残すほど活躍する人も多いのです。

 皆さんの中でもADHDではないかと思っている方にはなぜADHDのある人が成功するのかbyトムハートマン』を一読する事をお勧めします。

しかし、じっとしていることが苦手なADHDの周囲の方は大変です。

当グループのスタッフには、私のADHD的症状を温かく見守っていただき感謝です。

てんかん発作による意識消失による交通事故で実刑

てんかんは、脳の神経細胞に突然一過性に電気の嵐(発作放電)が起こり、ある範囲以上に広がっててんかん発作が生じ、しかもその発作が繰り返して起こる慢性の病気です。

一般人口の中でてんかん患者は1%ぐらいといわれています。

てんかんは、どの年齢でも発症しますが、特に起こりやすいのは3歳ぐらいまでと学童期です。

てんかん患者の90%は20歳までに発症しています。

したがって、小児科で診断治療されているケースが多いのですが、その後は、私が専門とする神経内科医がフォローすることになります。

女性の場合は、服薬による妊娠・出産の問題があります。

私自身の患者さんは、幸いいずれも正常分娩に恵まれています。

さて、てんかん発作に伴う交通事故に関するニュースが2件続けてありました。

三重県四日市市羽津町の近鉄名古屋線の踏切で、ワゴン車を運転中に自転車の男性3人に追突し、電車と衝突させて死傷させたとして、自動車運転過失致死傷の罪に問われている歯科医師のケース。

栃木県鹿沼市で登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み、児童6人が死亡した事故で、運転手が、てんかんの発作を起こしたため、突然意識を失い、事故を起こしたケース。

いずれも、尊い命を奪っています。

 道路交通法では、『てんかんを有していても2年以上発作がない場合,あるいは意識を消失しない発作や,夜間に限られる発作の場合には,専用の診断書による審査を経た上で運転が許可される場合がある』とされています。

したがって、十分なコントロールが出来ていない場合は、医師として厳しい対応をする必要があるのです。

ここがあいまいだと、逆に医師の責任まで追及されると考えられます。