認知症は“病気”です

一般的に、認知症は、年を取れば誰でもなるものと勘違いされている方が、相当数います。認知症は“病気”である事を、是非認識してください。確かに、アルツハイマー型認知症は年齢と共に増えます。80歳代で4人に一人といわれています。しかし考え方を変えると4人に3人は正常なのです。4人に一人がかかる病気であるという認識をお願いします。

ところで2005年に約204万人の認知症患者さんは、2010年に250万、2020年に348万、2030年に420万人と予想されています。これから15年で倍増です。結果として認知症に関わらざる得ない人々も急激に増加するのです。急激な認知症患者さんの増加に向けて、認知症の知識の普及、社会資本の整備、法律的整備等が必要と思われます。

お葉書を頂きました

先日、遠方から受診されていた患者さんからお葉書を頂きました。

“お世話になりました。先日、永眠いたしました。先生の「子供さんが、きっと見ていますよ」と言う言葉を胸に介護をしてきました。ありがとうございました。”

その方は、懸命に認知症のおじいさんの世話をされていました。しかし、身内の心無い言葉・態度に苦労されて介護されていました。思わず、30年前の 自分の母親の姿と重なってしまい、かけさせていただいた言葉が「子供さんが、きっと見ていますよ」と言う言葉でした。苦労して介護している両親の背中を、 姉と自分は敬意を持ってみていましたから・・・

そんな自分の言葉が、お役に立てたことはとても嬉しい事でした。

認知症の経験を役立てて

認知症になった祖父は、食べた事も忘れてしまい“何も食べさしてもらっていない”と言っていました。風呂に入ると、トイレットペーパが湯船に浮いており、毎日祖父に一番に入浴してもらい、その後、湯を入れ替えていました。その他にも、被害妄想もあったようです。

そんな中、たまに来る叔父や叔母の前ではとても調子がよく、その事が両親の介護負担を重くさせていたようです。しかし、そんな祖父も徐々に弱り、数年後には食事が取れなくなり永眠しました。その時に、認知症の家族としての経験を活かせる人生を送りたいと考えました。

その後、医学部を目指す際、医師になってから専門を選ぶ際、開業をする際、一度も迷う事がありませんでした。これも認知症であった祖父のお陰であると感謝しております。

最近では、半径100km圏内の患者さんも当院を受診していただいています。また講演や専門学校や大学の非常勤講師もさせていただいています。これらも、祖父の導きであると思うと貴重な経験をさせてもらったと感じています。

ブログを開始させていただきます

本日より、認知症専門医そして医療法人ブレイングループの理事長として、長谷川嘉哉のブログを開始させていただきます。内容は、「認知症の知識の提供」、「健康情報」、「脳の使い方」、「日常外来からの話」、「成年後見人について」等 広く情報を発信したいと思います。認知症の介護に携わる、ご家族や介護職を中心に多くの方にお役に立てれば嬉しいと思います。

現在、認知症の患者さんは約200-300万人と言われています。その御家族・身内が4人いると仮定すると、日本全体で1000万人以上の方が認知症と何らかの関係があるわけです。つまりこれからの時代認知症を避けて通る事自体難しいと思われます。

私は、30年前認知症の家族でした。認知症になった祖父。当時、父親は、43歳、母親は40歳、姉が16歳、私が12歳でした。家族それぞれが仕事・家事・学校に忙しい真っ只中でした。

徐々に進行する祖父の認知機能症状。当時は介護保険もなく、本当に大変でした。

しかしその事が、自分の人生に大きな影響を及ぼすとは思ってもいませんでした。