認知症サプリを斬る!専門医お薦め習慣と食事からとれない栄養素とは

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portrait of senior couple looking at pill bottle in hand

日々の認知症外来では、認知症のサプリメントについての質問をよく受けます。

「少しでも患者さんの認知症の進行を抑えたい、改善させたい」という切実な思いを感じます。医薬品に加えてなにかプラスになるものがないかとお探しの気持ちはよくわかります。

同時に、介護者自身が「自分はこのように認知症になりたくない」との思いから認知症のサプリメントに関心をもたれるのです。

そのため、成分がはっきりしないもの、あまりに高価なものを大量に購入される方もいらっしゃいます。今回の記事では、毎月1,000名の認知症患者さんを診察している認知症専門医の長谷川が世の中に出回っている認知症サプリメントについて、効果が不明なものの解説を、また自身が勧める生活習慣、さらに「どれか一つ」と聞かれたら勧められるものについて解説します。

1.健康食品は副作用がないことが最重要、とは

前提として皆さんに、知っておいていただきたいことです。

本当に効果がある薬は、医師が処方する「保険で承認されたもの」であることです。

保険で承認された薬は、行政の承認や確認、許可、監督等の結果、効果や副作用、飲み合わせのリスク回避等を徹底して、ようやく医師が処方できるものです。その点をご理解ただければ無用に高価な健康食品を購入することもなくなると思われます。

健康食品は、治験等によって明確に効果があるという証明はされていません。つまり、効果はないのです。薬事法により、効能・効果を謳うことは厳しく規制されています。したがって、広告もあくまで個人の感想を述べているに過ぎません。何度も申し上げていますが、個人の感想の寄せ集めはエビデンスではありません。

効果と副作用は両刃の剣です。ある程度の効果があるからこそ、副作用があるのです。残念ながら多くのサプリメントは効果も少ないため、副作用が出ない点が幸いです。これが良いことなのか、悪いことなのかは分かりませんが、高価な健康食品を効果も無いのに飲み続けている高齢者が多い事を考えると複雑な思いです。

Pills in woman hands.

メーカーでは、使用によりお客様の健康をかえって損ねることがないようにしています

2.代表的な認知症サプリの栄養素を解説

ここでは、私の知る限りで市場によく出回っている「いかにも認知症に効果がありそうな」サプリメント(健康食品、栄養補助食品)について解説します。

2−1.食品から摂れる栄養素

食品に含まれる栄養素を抽出してサプリメントとして売っているものからご紹介します。

①ビタミン剤:食品に含まれます。成人、高齢者がバランス良い食生活をしていれば十分です。ビタミンB、Cは余分に摂取しても尿に排泄されるだけです。一方、ビタミンAやEは蓄積作用があるため過剰な摂取は副作用に注意が必要です。

②DHAとEPA :人間に必要な栄養素のひとつ。常温で固まらないサラサラの脂質ですから、血流を促進し脳細胞を活性化します。青魚に豊富に含まれます。

③レシチン:卵黄や大豆などに含まれているリン脂質の一種です。

④ココナッツオイル:抗酸化作用の高いオメガ3脂肪酸が豊富に含まれます。これに限らず、日頃お使いになるオイルは質の良いものを使いましょう。

いずれも不足していると感じたり、特定の食材にアレルギーのある方は、サプリメントを使用されても良いでしょう。

2−2.効果がよくわからない栄養素

サプリメントの世界では新しい言葉がどんどん出てきます。今まで発見されていなかったかのような印象を受けますが、ほとんどの場合はすでにあったものです。

①プラズマローゲン:ニワトリの胃や胸肉から抽出される栄養素です。

ヒトおよび動物の研究より、脳プラズマローゲン量の減少がアルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、および多発性硬化症を含む神経変性疾患において観察されていますが、プラズマローゲンの減少がこれらの発症過程の原因なのか結果なのかは明らかではありません。(出典:Functions of plasmalogen lipids in health and disease

確かに成人脳内のグリセロリン脂質のほぼ30%、およびミエリン鞘のエタノールアミングリセロリン脂質の最大70%がプラズマローゲンです。これが萎縮によって減る可能性はありますが、服用したからといって脳に蓄えられるかは不明です。

この成分は、一時テレビCMでドラマ仕立てで効果が宣伝されたことがありました。しかし、内容は個人の感想レベルの域でした。

②ホスファチジルセリン:細胞膜を構成しているリン脂質のひとつで、脳神経細胞膜の10%をこの成分が占めています。希少な成分で、一般の食品にはあまり含まれていません。

アメリカ合衆国アメリカ食品医薬品局 (FDA) は「証拠のほとんどはホスファチジルセリンと認知症あるいは認知機能障害のリスク低減との間の関連を支持せず、こういった関連を支持する証拠は非常に限られ、予備的なものである」と結論付けています。

③フェルラ酸:米や小麦などの植物の細胞壁に含まれている成分で、活性酸素を除去する抗酸化作用が強いとされています。米ぬかから精製されたフェルラ酸がアルツハイマー型認知症に有効との論文がいくつか発表されています。ただし、研究施設に偏りがあり、他と比べて研究が少ないという欠点は否めません

④イチョウ葉エキス:世界60カ国以上で使用されています。欧州では「めまい」の軽減などに医師が処方しています。

イチョウ葉エキスは他の栄養素に比べて様々な研究がされています。研究結果では、以下のように効果があるというものもあるし、有効性が示唆されているものもあります。

  • 健康な高齢者の記憶の向上に対して、効果がないことが示唆されている
  • イチョウ葉エキスの摂取は、健康な成人における認識能力 (記憶力や認識処理速度) を向上させるのに、有効性が示唆されている
  • イチョウ葉エキスの摂取は、アルツハイマー、脳血管性および混合型認知症に対し、有効性が示唆されている
  • イチョウ葉エキスの摂取は、多発性硬化症、冬季うつ病の予防、耳鳴りに対し、効果がないことが示唆されている

効果あるなし含めて、世界中で研究が多いことが注目すべきポイントでしょう。脳神経に関わるもの以外にも様々な研究結果がありますので、興味のある方は参考になさってください。

参照:厚生労働省健康食品の素材情報データベース「イチョウ葉エキス

3.認知症専門医の予防方法

認知症予防で大事なことは食生活と運動だと思っています、私が実際に効果があると思って日頃行なっている食事や運動の方法をご紹介します。

食生活では、炭水化物は控えめにしタンパク質の摂取を意識します。とくの40歳を超えてからは体重を気にしています。決して痩せすぎず、太りすぎないようにBMI( [体重(kg)]÷[身長(m)の2乗])が23前後に収まるようにしています。

例えば体重60kgで身長160cm(1.6m)の方は、60÷(1.6の2乗)という式になり、答えは約23.4になります。以下に簡単に計算できるフォームを用意しましたのでご利用ください。

脳は、頭を使うことも運動も刺激として認識します。なので運動習慣も強くお勧めできる予防法です。私の場合、有酸素呼吸運動、筋肉トレーニング、バランス、柔軟体操は定期的に行っています。

サプリメントとして、毎日使用しているのはイチョウ葉エキスです。これは食生活ではとることができない栄養素です。効果があるなしとも言われるイチョウ葉エキスですが、自分では記憶力維持がはかられると思っていますし、患者さんにも勧める場合があります。

4.私が勧める「イチョウ葉エキス」とは

イチョウ葉エキスは、「自分が欲しいな」と思う製品が既存製品ではなかったので、とうとう自分で監修してしまいました。

Extract from the ginkgo in bottle with green leaves.

イチョウ葉エキスには10種類以上のポリフェノールが含まれています

4-1.既存品の問題「質にばらつき」をクリア

既存品では、品質の問題のうち成分量のばらつきが気になっていたポイントでした。特に中国製はばらつきが大きいため、いくら価格が安いとはいえお勧めではありません。

例えばイチョウ葉エキス以外のある成分が「●ppm以上」と書かれている場合に、その量がギリギリだったりあまりに多かったりするのです。そうするとイチョウ葉エキスをとっているつもりが、他に何か影響がありそうな(不明な)ものをとっていることになりかねません。

そのなかで日本製で値段も手ごろで、成分量のばらつきの最も小さかったものを選択しました。

ちなみに、イチョウ葉エキスに以下のような文献もありました。

ポーランドで販売されているイチョウ葉抽出物製品11種 (医薬品3種、サプリメント8種) を分析したところ、医薬品として販売されている製品には有効成分とされるフラボノイドやテルペンラクトンが十分量含まれ、ギンコール酸濃度は5 ppm以下に守られていたが、サプリメント製品はばらつきが大きく、4製品ではフラボノイドやテルペンラクトン含量が少なく、5製品ではギンコール酸濃度が5 ppmを超えており、最も多いものでは8,000 ppmを超えていた。参照:厚生労働省健康食品の素材情報データベース「イチョウ葉エキス

ギンコール酸はアレルギー物質です。このようなことはパッケージの情報だけではなかなかわからないものです。

4-2.十分な成分量で、一日1粒で良い

なぜか、サプリメントは一日3回の服用を勧めるものが多いです。一日3回は、負担が多く飲み忘れにつながります。高齢者の場合は多くの薬を飲むことが多いので、少しでもその手間を減らしてあげたいという願いがありました。

私が監修した製品は、特定の製造法・成分の含有量を満たし、一日1粒でイチョウ葉エキス120mgを摂取できます。そのうえ「錠剤では喉に引っかかりやすい」という声に応えるべくカプセル状にして飲みやすくしました。

これも、製造工程の段階から、認知症専門医として関わらせていただいたこだわりです。

何かサプリメントを一つをお探しの方はぜひ参考になさってください。イチョウ葉エキスBr紹介ページ

ichouha-ex-Br

長谷川が監修したイチョウ葉エキスBr。30カプセル、6,480円(税、送料込)

5.まとめ

  • 認知症にもっとも効果があるのは、保険で承認された抗認知症薬です。
  • ただし、保険薬に追加したり、健康な方が飲むサプリメントも否定はできません。
  • 数あるサプリメントの特徴を良く理解して、自身に合ったサプリメントを選びましょう。
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