「誰かのためも大切だけど〜」(旺季志ずか)を認知症専門医が書評

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Saying connected during their retirement

認知症専門外来では、80歳前後の男性の傍若無人ぶりに驚くことがあります。同時に、理不尽な男性に耐える日本女性の態度にも驚きます。先日も、運動障害がないにもかかわらず、真夜中に「背中をかけ」といって奥様を起こすご主人がいらっしゃいました。毎晩、起こされるために奥様はいつも寝不足を訴えられています。(起こした本人は昼間は昼寝ができます)

それ以外にも、自分が眠れないと奥様を起こす人、靴下を奥様にはかせてもらう人、デイに行くときにも奥様を連れていく人。正直、同じ男性でも呆れてしまうほどです。これを甘受している女性の方も、古き時代の「日本女性の美学」があるのかもしれません。しかし私の三人娘には、こんな美学?を実践して欲しくはありません。

回、これからの女性に是非読んでもらいたい本をご紹介します。旺季(おうき)志ずかさんの「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?」です。女性からの評判が高いようですが、男性も読む価値は大です。

本の中から認知症専門医として目にとまったところをご紹介します。皆さんも良好な夫婦関係を築くためには参考になるかと思います。

1.旺季志ずかさんとは?

有名な脚本家です。徳島県生まれ。立教大学卒業後、女優を志すも挫折。高層ビルガラス清掃から銀座のホステスまで、50種類の職を経験した豊富な人生経験を生かし、数々のヒットドラマを生み出してます。代表作に「屋根裏の恋人」「ストロベリーナイト」「佐賀のがばいばあちゃん」「女帝」など。皆さんも、知った作品ばかりではありませんか?

私は光栄にも、6か月間同じ著者養成講座に通い、本を創る苦労を共に戦った仲間です。その上、血液型も同じB型。さらに誕生日2月14日バレンタインデー生まれなんです。一緒に話をしてていても、随所に「心を動かされる言葉」を発してくれます。そんな彼女のドラマの名セリフに合わせた書き下ろしが、今回ご紹介する本「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?(学研プラス)」です。

2.男性としての学びもある

この本は、女性から相当共感を得ているようです。だからこそ、男性としての学びも満載です。以下、本から抜粋です。

  • 男性は、悩みを話すとき、解決策を求め、聞くときも具体的な解決策を提示しようとします。しかし女性は、解決策を提示されるとかえって混乱したり、戸惑ったりすることも少なくありません。 「話を聴いてほしい」 女性がそう言うときは、本当にただそれだけでいいのです。それがどんなにくだらなく思える愚痴でも、ただ「そうなんだ」と傾聴します。
  • 人は、そのままを受け入れてもらえれば、励まされる必要などなく、自動的に元気になっていく力を持っている のです。
  • たったひとりでも満たされたとき。 そんな「ひとり」が出逢って「ふたり」になるとき、互いの意思や選択を認め合える、自由で開かれた関係ができるのです。 よりよい関係性は、「ひとり在る」からはじまるのです。
  • 「顔とおっぱいは女の命。人間はおっぱい吸って大きくなるの。だから潜在意識にあこがれを封じ込めてるの。おっぱいは世界を支配する」
  • 女性が自分の特性を殺し、男性に対抗意識を持つと、男性の嫉妬心をあおるので、うまくいきません。私の周りでは、女性性をうまく機能させ、男性にサポートしてもらってめざましい結果を出している女性もあらわれています。
Good morning coffee in good companion

女性としては「話を聞いてほしいだけ」「気持ちを共感してもらいたいだけ」ということはよくあります

3.娘を持つ親として

三人娘をもつ親としては、彼女らにはこの本に書かれているような女性になってもらいたいものです。

  • 「自分は存在するだけで大切な人である」という前提に立っていると収入は上がるし、素敵な恋人に恵まれます。 自己評価が低くて、「あくせく働かないとお金は稼げない」とか「自分は素晴らしい人の恋人としてふさわしくない」といったネガティブな信念を持っていれば、その通りになっている気がします。 「この世界、誰のもの?」この問いかけを自分にすることで、「操縦席」に座り、創造する力を取り戻すことができます。
  • 「家族へのうそ、世間へのうそ。しかしそれは許されるうそだ。最も許されないのは、自分へのうそ。自分の心にうそをついた途端、何が本当に欲しいのかさえわからなくなってしまう」

4.世論もバッサリ

最近の「芸能人の不倫騒動」。くだらないと思っていても、「お前はどうなんだ!」と言われるのが怖く誰も声に出しません。旺季さんは、不倫騒動もバッサリです。

  • 欲望は本能。それがあるから子どもは生まれ、人は生きるのです。 そして理性で抑えようとしても抑えられないのが、恋。それにおぼれるのが「人間」──。  私は、そんな人間の愚かさ、弱さが好きです。
  • 不倫を批判・バッシングする人ほど、本当は恋をしたいのではないかと。「女」として本当は生きたい、それができない悲しみや寂しさの行き場が、他人の色恋への干渉になるのではないでしょうか?
  • 自分がイキイキと生きていて、自分の人生に満足していたら、人の人生に干渉している時間がもったいないですよね。

5.旺季流・お金の考え方

お金に対する視点も一般の方とは少々違うようです。

  • お金はエネルギーで、自分が人様に何かをして喜んでいただいた分が、お金に形を変えて戻ってくるのだと思っています。
  • 「人は金、金って言うけど、1億あったって、金魚1匹つくれんばい。 大事なのは金じゃなか、夢や」
  • 「豊かさってなんだろう?」って聞かれたら、「今あるものを受け取り、感謝できること」と答えます。
  • 豊かな人は、「ある」ことにちゃんと気づいている人
Executives handshaking in a coffee shop

感謝の対価がお金となって帰ってくるという考え方です

6.認知症専門外来で学ぶ理想的な男女関係

この本で書かれている理想の男女関係を、毎日の外来で感じることがあります。

6-1.それぞれが自律

相手への依存関係が強すぎることは、ある意味思考停止につながります。例えば認知症患者さんにとって、金銭管理ができるか否かは症状の進行を知るうえで重要な情報です。しかし、認知症患者さんは正常な時から100%配偶者に依存されている方があまりに多いのです。

6-2.できるだけ一緒にいない

夫婦が一緒にいる時間は最低限が良いと感じます。それぞれが独自の世界を持っていて、時々一緒にいる。適度な距離感が相互の自律につながるのです。デイサービスにも一人で行くことができずに、奥様が付き添うなどは、社会人ではありません。

6-3.「わがまま、自分勝手、好き嫌い」が大切

長生きをしている方の特徴は、「わがまま、自分勝手、好き嫌い」です。だからこそ、夫婦ぞれぞれが自律して、適度な距離感が必要になるのです。患者さんの言葉を借りれば、「自分は自分、あんたはあんた」です。

7.まとめ

  • 父親として、これからの時代の女性は、昔からの耐える日本女性にはなって欲しくはありません。
  • 娘たちが理想的な女性になるバイブルとして、「旺季志ずかさんの「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?」はお薦めです・
  • 女性だけでなく、男性も是非一読を
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