若いスタッフが知る年金の重要性

『親御さんの年金額は幾らですか?』、これは私が認知症専門外来でお伺いする質問です。初めてお会いしたご家族は、この質問に一瞬驚いた表情をされます。しかし今の時代、年金額を知らずして満足な診療はできないのです。但し半分近いご家族は、親の年金額を知りません。『親は年金額を子供に知られたくない』、『子供は親の年金額を聞きにくい』というのが実状なのかもしれません。

介護の問題は、お金で90%は解決されます。在宅介護では、潤沢にお金を使えばデイサービスを毎日使うことも、ショートステイを月の半分使うことも可能です。これだけ使えば、かなりの状態になっても在宅介護ができるものです。かりに介護保険の限度額を超えても実費を負担すればよいだけです。私の患者さんにも、実費で看護婦さんを雇用して在宅生活をしている方も見えます。

それでも在宅介護ができなければ、施設入所を検討します。これこそお金次第です。地方であれば月額15万、都心であっても月額25万円あれば、十分に施設を探すことができます。グループホーム、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅であれば、お金があればどこかに入所することができます。その時に特養の申し込みをしておけば、2-3年すれば入居の順番が回ってきます。

しかし年金が国民年金の月額6万円前後であれば、グループホーム、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の入居は、貯金がなければ不可能です。最低限の在宅サービスを使って特養の入居を待つしかないのです。それさえも平成27年4月からは、介護度が2以下であれば受付さえしてもらえなくなったのです。


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介護保険が始まってから、年々お金が重要になってきています。診察についてくれる若いスタッフが、『本当に年金は大事なのですね』と実感しています。私の外来をみれば、年金の未払いも減るかもしれません・・

                                    

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