ALS:種族保存の不思議

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

先回紹介した映画『博士と彼女のセオリー』の中で、ホーキング博士が発病後3人の子供を授かったことが描かれていました。不謹慎ですがALSの患者さんが子供を作ることは考えてもみませんでした。しかし理屈は簡単です。ALSは『今から足を動かすぞ!』といった、運動神経「のみ」が衰えてくる病気です。感覚神経や自律神経は障害されません。

自律神経が司る代表は排尿です。『今から膀胱を収縮させて小便出すぞ!』なんて考えません。このような興奮、緊張、気分などによって左右される膀胱などが自律神経によって支配される器官になります。実は男性の勃起も同様で性的興奮から起こるものであり、『今から勃起させるぞ!』なんて思いませんしできません。このように自律神経機能は損なわれないため、ALSの経過中、膀胱直腸障害がおきないことは専門医の常識です。つまり同様に勃起は可能であることは病態を考えれば当たり前です。四肢の筋力が弱り、移動は車椅子になり、人工呼吸になっても勃起機能が残され、種族保存ができることに感動です。

映画の中でも描かれているのですが、ホーキング博士は妻ジェーンとは途中離婚して、新しいパートナーと生活を始めます。このような状況になってもの環境変化への挑戦、さすがに宇宙をフィールドにしている物理学者です。そのスケールに感嘆しました。ちなみにALSという病気は結構有名人が罹患しています。ルー・ゲーリック(大リーガー)、毛沢東(政治家)、徳田虎雄(前衆院議員)ショスタコービッチ(露・作曲家)篠沢秀夫(フランス文学者)土橋正幸(野球選手、監督)などです。

                               

error: Content is protected !!