認知症専門医が勧めるレコードの魅力・心地よい聴覚が扁桃核を刺激!

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Man browsing vinyl album in a record store

音楽の聴き方は多様化しています。以前はCDがメインでしたが、最近では携帯プレイヤーやスマートフォンでも簡単に音楽が聞けます。その結果CDが売れない時代ともいわれます。しかし、音楽を聞かなくなったのでは無くCDを聞かなくなったのです。実は過去にCDが、同様に駆逐してしまったものにLPレコードがあります。

最近の若い人たちの中にはLPレコードを見たことも、触ったこともない世代が急増しています。しかし、このLPレコードがとても心地よいのです。今回の記事では認知症専門医の長谷川が、LPレコードの持つ可能性についてご紹介します。

1.レコードの歴史

直径30cmで片面30分まで再生できます。1948年にCBSコロンビア会社が発明。可聴範囲の全音域をほとんど雑音なしに録音でき,それまでのSPレコードを駆逐したのです。LPはlong playing(長時間演奏)の略。しかしカセットテープとの競合などにより,日本では1976年の1億9975万枚を最高に年々生産量が低下。1982年(昭和57)に簡便性と音質のよさをもつCD(コンパクトディスク)が発売されると、LPレコードの生産枚数は急激に減少し、CDが音楽ソフトの主流となって現在に至っています。LPレコードの製造は2000年代に入って以降も続けられていますが数量的には少なく、統計にあがるまでには至りません。

Record Player

近年レコードをリリースするアーティストも増えてきました

2.レコードの魅力

そんな歴史上、駆逐されてしまったレコードにはどんな良い点があるのでしょうか?

2-1.心地よい音がする

私は高校生まではレコードを聴いていました。そして平成29年に久々に聞いたレコードの音の素晴らしさに魅了されました。昔は、こんな素晴らしい音を聞いていたのでしょうか? 大学入学時にCDが出現しそれ以来、1枚でベートーベンの第9交響曲が聞ける利便性に心奪われすっかりレコードを忘れていたのです。批評家でないのでうまく表現できませんが、本当に心地よいのです。感情を司る扁桃核を、優しく優しく優しく刺激してくれます。

2-2.手間をとるがそれも楽しみになる。

レコードを聴くのは手間です。レコード盤をクリーニングしないとノイズが出ます。レコードも傷をつけるといけないので慎重に取り出します。そしてターンテーブルにレコードを乗せ、針を慎重にレコード盤に乗せることで音が出てきます。そして片面は多くは20分前後しか収録できませんから、いちいち盤を裏返す手間がかかります。そのうえレコード針は定期的に交換が必要。操作性や手軽さから言うとレコードはCDに勝てる要素がありません。でも、そんな儀式のような手間も楽しみになるのです。

2-3.いとおしく扱う

レコードはとてもデリケートです。その上、多くのレコードはすでに生産されていませんから、いつでもどこでも購入はできません。とても貴重です。そのため、レコード盤を入れる袋、ジャケットを入れるビニール、そしてレコードを収納するボックスまで気を使います。そんな大事なレコードから流れる音楽は、よりいとおしく感じられるのです。

2-4.ジャケットも心地よい

レコードのCDにない魅力はジャケットの美しさです。レコードを聴いている間は、ジャケットを飾っています。そのジャケットの魅力は聴覚だけでなく視覚までをも心地よくさせるのです。

2-5.再生時間が短いこともメリット

ある人に言われました。『どれだけ疲れていても、どれだけ忙しくても時間を作って取り組むことが趣味だ』。まさに、レコード鑑賞がそれです。どれだけ遅くなっても最低レコードの片面だけでも聞くようになりました。そんな時、片面20分前後が丁度良い時間なのです。

Young people in a record shop

ジャケットを眺める楽しさは大きなLP盤ならではです

3.心地よい音がする理由

ならば、なぜレコードはCDに比べて心地よく感じるのでしょうか?

3-1.レコードは自然に近い音

実際の生演奏では、周波数で4万Hzまで音は出ています。しかし、CDでは22,000Hzまでしか録音されていません。何しろCDはその名の通り、コンパクトなディスクにデータを収めるため、人が聞こえない範囲の音は、あえてカットして収録しているからです。

一方、レコードには、人間が聞こえないはずの、22,000Hz以上の周波数が録音されているため、「レコードの音はあたたかみがある」「レコードの方がいい音に聞こえる」という感想になるなのです。実際、人間の耳がどこまで聞こえているかという疑問もあります。しかし、個人的意見としては、人間は22,000Hz以上の音も聴こえている、もしくは音圧を感じているのだと思います。

3-2.脳波を調べるとレコードの音の方がリラックスできる

CDとレコードを聴いた時、人の脳波に違いがあるか検討した実験があります。被験者にはどちらがレコードなのかを伝えず、約2分間測定を行い、「リラックス時に出るα波」と「緊張時に出るβ波」を比較。その結果、レコードを聴いたときには「α波の優勢率が増え、β波の優勢率が下がった」という結論になりました。脳波的にもレコードの方が「心地よさ」を感じるようです。

4.「心地よい」ことが脳に大事な理由

心地よさは、脳にはとても大切です。認知症患者さんの脳を調べると、記憶を司る海馬より、感情を司る扁桃核が先に委縮することが知られています。ですので、「物忘れ」よりも「意欲の低下」や「表情の喪失」が認知症の初期段階としては発現されていることが多いのです。

それを避けるには、五感すべてに刺激を入れ、感情豊かな生活を送り扁桃核に刺激を与え続けることなのです。その際に私がお話しするのは、「自分自身にとって心地よいか否かが大事」ということです。

最近の風潮は、医学的エビデンスにこだわりすぎているように思えます。何よりも「心地よさ」で考えれば、脳にはとても良いと思われます。医学的エビデンスにこだわりすぎずに、感情に素直になって「自分にとって心地よいか否か」で判断されることをお勧めします。是非一度、レコードを聴いてみてください。

5.レコードを勧める芸能人

実は、レコードを勧める芸能人、音楽関係者さんは結構いらっしゃいます。

5−1.コブクロ

偶然テレビを見ていると、コブクロの二人がレコードを絶賛。「細かいことを言わずに、レコードを聴いてみてください」と熱く語っていました。医師である私が言うより、遥かに説得力がありました。

5−2.タモリさんも絶賛 バキューム式レコードクリーナー

バキューム式レコードクリーナー

バキューム式レコードクリーナーの例:出典 ヨシノトレーディング

レコードの一つの問題が独特の、ノイズです。少し聞こえる程度なら、“味わい”の一つですが、あまりにノイズが多いと、さすがに興ざめです。いろいろなクリーナーを試してもかえって静電気が発生して、悪化することさえありました。そこで、思い切ってバキューム式レコードクリーナーを購入しました。この効果が凄いと思っていたら、タモリさんの番組で紹介されており、やはり絶賛していました。ちなみに、わが家にいらっしゃる調律師さんも、クリーナーの前後で、「ピアノが変わったほどの違い」と感動されていました。

6.認知症予防にもレコードは良い

Old fashioned gramophone

手間がかかるレコードならではの良さがあります

専門医の間で「認知症予防」について話していた時に、究極の認知症予防は「手間をかけること」と議論がまとまったことがあります。日常生活のなかで、じっくりと時間と心を込めて行動をする。そのことが、感情を司る扁桃核、司令塔である前頭葉、記憶を司る側頭葉で形成される「社会脳」をフル稼働させるのです。

レコードを聴くための手間のかかる手順が、昔の記憶を引き戻すのです。

また好きな音楽を聞くことで認知症の進行を抑える「音楽療法」というもののあります。以下の記事で解説していますので興味がある方はご一読ください。

音楽療法とは・聴覚で脳にアプローチする効果と方法を専門医が解説

7.まとめ

  • レコードの音は、録音されている周波数もしくは脳波の実験からも心地よさを感じます。
  • しかし、レコードを聴くためには煩わしい手間がかかります。
  • そんな手間が、認知症予防につながるのです。
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