三つ子の魂、百まで

人間の脳細胞の数はどの程度か知っていますか?答えは約180億個です。  驚くべき事に、この数は出生時にもほぼ同じ数が存在します。 出生後、神経細胞は樹状突起を伸ばし、複雑なネットワークを形成し、約3歳には基本構造は完成すると言われています。 いわゆる「三つ子の魂、百までとは」医学的にも正しいものなのです。 物心ついてから、人間は自分でモノを考え行動していると考えがちですが、実はその基礎は3...

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認知症の「行動・心理症状(BPSD)」

 認知症が進行すると先回の中核症状だけでなく、感情的な変化や精神病的な言動が出現してきます。介護者が悩まされる症状です。このような症状を中核症状に対して「行動・心理症状(BPSD)」と呼びます。従来の周辺症状と同じ意味です。BPSDには、幻覚、妄想、徘徊、人格変化、暴力行為などがあります。この中では特に「お金を盗られた」といった被害妄想の頻度がもっとも多いようです。被害妄想は家族内のトラブルになる...

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認知症の中核症状

 認知症は記憶する力、思い出す力、いまの日時と場所、周囲の人や状況を判断する見当づけの力、思考をめぐらす力、蓄えた知識と照合して判断や行動に結びつけていく一連の知的な働きが次第に落ちて自立した生活ができなくなっていく過程とみる事ができます。このような脳の障害で起こる認知症の知的な働きの障害を 「中核症状」 と呼びます。認知症は中核症状で始まります。この段階で専門医を受診していただく事が、望ましいの...

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物忘れと認知症

 認知症専門外来を開いていると、最近物忘れがひどくなったという主訴で受診される方が多くみえます。物忘れと認知症の違いを簡単に説明します。 「昨日の夕食のメニューを覚えていますか?」高齢者の方を対象とした講演でこの質問をすると、不安げな顔をされる方が多くみえます。仮に思い出せなくても心配は要りません。メニューが思い出せないことは、「物忘れ」いわゆる「健忘」であり、病的意義はありません。しかし、「食...

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神経内科専門医

 先回、認知症の4大原因疾患を紹介しました。しかし認知症の原因のうち実は9%は治療可能な病気です。割合としては少ないのですが、たとえ10人に1人であっても、できる限り早く原因を見つけることには大きな意義があります。やはりおかしいなと思われたら、早期に専門医の受診が望まれます。  ところで認知症は何科が診るのでしょうか?一般的には私の専門である神経内科もしくは精神科が見ることが多いようです。しかし...

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認知症の4大原因疾患

 先回、認知症の原因としてアルツハイマー型認知症と血管性認知症の2疾患をご紹介しました。 最近では、認知症状、パーキンソン症状と幻覚症が主な症状であるレビー小体病が頻度として3番目になっています。一見、パーキンソン病のようですが本来保持される認知機能と高次機能が障害される点が特徴です。 さらに頻度として4番目が無頓着で破廉恥な性格変化から始まるピック病(≒前頭側頭型認知症)です。認知機能が保持...

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認知症の原因

 認知症というと1つの病気のような印象をもたれがちですが、実はさまざまな病気が認知症を引き起こします。その中の代表疾患がアルツハイマー型認知症です。認知症の約50%以上を占めます。 次いで30%前後を脳血管障害後遺症による、血管性認知症が占めます。以前は、日本では血管性認知症が多いと言われていましたが、最近は減少傾向です。アルツハイマー型認知症と血管性認知症が頻度的に1位と2位であり、両者で8割...

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認知症は“病気”です

一般的に、認知症は、年を取れば誰でもなるものと勘違いされている方が、相当数います。認知症は“病気”である事を、是非認識してください。確かに、アルツハイマー型認知症は年齢と共に増えます。80歳代で4人に一人といわれています。しかし考え方を変えると4人に3人は正常なのです。4人に一人がかかる病気であるという認識をお願いします。 ところで2005年に約204万人の認知症患者さんは、2010年に250万...

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認知症ケアの標準化

先回認知症に対する介護は遅れているとお話しました。従来の認知症介護は、「心情的ケア」あるいは「対応型ケア」と言われていました。つまり、根底に「気の毒な」「かわいそう」という心情があり、ケアも経験に基づく症状に対応するものでした。つまり客観性に乏しかったのです。今後は、介護の技法として伝達され、標準化する必要あると思われます。 実際、認知症の患者さんは、ふさわしい状況と安心できる環境に置かれると、...

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ピンピンコロリの実現のために

講演で一般の方々の前でお話をして感じることがあります。皆さん漠然とした不安をお持ちです。“できれば、人の介護を受けたくない。いつまでも自分の事は自分でしていたい”と思っているようです。人間はどのような時に介護が必要になるのでしょうか?それは大きく「身体介護」と「認知症介護」に分けられます。いつまでも身体が動き、認知症にならなければいつまでも、生活は自立します。結果として、いつまでも元気で自宅での生...

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