転ばぬ先の杖 - 認知症専門医 長谷川嘉哉のブログ

認知症専門医師 長谷川嘉哉 ドクターズブレイン 長谷川嘉哉

食事がとれなくなったら最期

投稿日:2017年8月2日

高齢の患者さんが食事が摂れなくなると
『どうして食事がとれないんですか?!』と
強く質問されるご家族がいらっしゃいます。
そんな時は、
『人間は最後は食事が摂れなくなり、お亡くなりになります』と説明します。
そんな当たり前の説明で
納得されるご家族もいらっしゃいますが、
どうしても、どうしても
感情的に納得できない御家族もいらっしゃいます。

"何とか点滴だけは続けてほしい"と希望されるご家族も・・
しかし、点滴は水分しか含まれていません。
低栄養によって浮腫がひどくなるだけです。
さらに血管がもろいため、何度も刺しなおす・・
患者さんに苦痛を与え続けることになります。
それでも、点滴の継続を望まれる方には
「あなたの自己満足のために、患者さんに苦痛を与え続けても良いですか?」と
改めて問うこともあります。

90歳を超えた患者さんが食事をとれなくなった際でも
明確に、胃瘻作成目的での病院受診を希望される家族もいらっしゃいます。
"どんな形でも生きていてほしい??"という感情のようです。
最近では、働かない子供が親の老齢年金を当てにして
"胃瘻"による延命を希望される方さえいるのです・・
胃瘻による無理な延命・・
片足が腐っても生きていた患者さんもいらっしゃいました。
生命体としては亡くなっているのに
無理やり栄養を与えつづける・・
こんな悲惨な状態になる事さえあるのです。
(不思議と胃瘻を希望した方は、介護には関わりません!)

今回、日野原重明先生が
素晴らしい最期を
実践されました。
これからは終末期の説明で、
『日野原先生も、胃瘻をつくらずに自然にお亡くなりになりましたよ。』
と参考にしていただけそうです。
人間は、"食事がとれなくなったら最期"
多くの方が、
そんな当たり前のことを
当たり前に選択してほしいものです。

水曜日の写真.jpg

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