民間介護保険の選び方・掛け金よりも大事な5つのポイントとお勧めは

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Handshake and agreement

介護に備える方法の一つとして各保険会社がこぞって発売しているのが、民間の介護保険商品です。

しかし、サイト等を見ると「どこの保険が最もリーズナブルであるか?」と掛け金の額だけに関心を集めているものが多いようです。しかし、民間介護保険は掛け金以上に重要なことがあります。

私は、「介護の90%はお金で解決できる」と講演等でお話しをしています。認知症患者さんの初診時にも、率直に「年金額はいくらですか?」とお伺いしています。単に「毎月の治療費にいくらかかるか」だけではなく、「どのような介護態勢をとることができるか」「施設に頼む場合はどういった所が最も患者さんとご家族の負担がないか」など様々に考えるからです。

今の時代、医師であっても年金額を知らずして、適切なアドバイスはできないのです。特に2000年4月に公的介護保険制度が施行されてから、この傾向が強くなっています。

民間介護保険はそのようなお金の負担を軽減させる一助です。ではどのような方が加入を検討すべきでしょうか。選ぶ際のポイントはどのようなものでしょうか。

今回の記事では、高齢者医療専門医でありながらファイナンシャルプランナー資格を持つ長谷川が、掛け金よりも重視すべきポイントをご紹介します。

1.公的とは違う民間介護保険とは?

民間介護保険とは、若いうちから月額で掛け金を払込み、保険会社の約款に定められた「所定の要介護状態」になると介護保険金がもらえるものです。

現物給付である公的介護保険と異なり、使途自由の「現金給付」である点が民間介護保険の最大の魅力です。まとまった金額を一度に受け取れる「一時金保障」と、定期的に現金を受け取れる「年金保障」の2種類があり、両方とも受給できるタイプの保険商品が一般的です。

また、死亡保障の有無もあります。死亡保障なしの介護保険とは、いわゆる掛け捨てタイプの保険です。介護状態にならなければ保険金を受け取ることがないため、必然的に保険料も安くなります。

公的介護保険では40歳未満は加入できませんが、民間介護保険は商品によりますが40歳未満でも契約することができます。また、公的介護保険では、40歳以上65歳未満の人は16種類の特定疾病で要介護状態になったときにしか介護サービスを受けることができませんが、民間介護保険にはこのような制限はありません。

2.以下の条件を満たさない人は加入した方がよい

以下の基準を満たす人は、加入する必要はありません。しかし基準を満たす方は、ごく少数と思われます。そのため、多くの方に適切な民間介護保険の加入をお勧めします。

Nurse supporting senior man

いざという時、良い施設に入るためには、お金が必要になります

2-1.潤沢な年金

月額25万円程度の年金が確保されていれば、ほとんどの介護状態に対応が可能です。仮に、自宅介護が不可能になっても、グループホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅のいずれかにすぐに入居が可能です。これらの施設では、最低でも月額20万円の費用負担が発生します。都心等ではそれ以上必要であり、高額な施設では上限はないほどです。

皆さん、一度「ねんきん定期便」を参照してみてください。多くの方が予想よりも年金額が少ないことに驚かれるかもしれません。月額25万円の年金を受給できる方は相当少ないと思ってください。

*ねんきん定期便:日本年金機構では、厚生労働省からの委託を受け、毎年1回、誕生月に国民年金および厚生年金保険の加入者(被保険者)の方に対して、年金加入記録をご確認いただくとともに、年金制度に対するご理解を深めていただくことを目的として「ねんきん定期便」をお送りしています。

50歳未満の方

  • これまでの年金加入期間
  • これまでの加入実績に応じた年金額
  • (参考)これまでの保険料納付額
  • 最近の月別状況

50歳以上の方

  • これまでの年金加入期間
  • 老齢年金の年金見込額
  • (参考)これまでの保険料納付額
  • 最近の月別状況

2-2.夫婦それぞれの年金が確保されている

先ほどの月額25万円の年金が、夫婦それぞれ、つまり世帯で50万円の年金が支給される方はさらに限定されます。例えば奥さんが専業主婦であれば国民年金ですから、月額の年金額は6万円弱です。ご主人がどれだけ年金を払っていても、世帯で50万円の年金確保は不可能になります。

2-3.莫大な貯金がある

年金が不十分でも、莫大な貯金を取り崩せば対応は可能です。しかし高齢者の方を見ていると、貯金を取り崩すことには相当の不安を感じるようです。仮に、1,000万円の貯金があっても、取り崩せばあっという間に底をつきます。そもそも、介護はいつ終わりが来るかは予想できません。現在の平均寿命、男性81歳、女性87歳を考えると、それ以上に長生きすることは十分予想されるのです。

3.保険選びのポイント1「保障期間・支払い期間」

月々の支払額を検討する場合は、保障期間や保険料払込期間を確認しましょう。

3-1.保証期間

一定期間だけ保障される「有期」タイプと一生涯保障される「終身」タイプがあります。「有期」タイプは、保障期間が80歳までが多いようです。80歳以降に介護の発生率が急に高まることを考えると「終身」タイプが安心です。

3-2.支払期間

「終身」タイプでは、保険料の払込を一定の年齢までにする方法(短期払い)と一生涯にする方法(終身払い)があります。私の外来でも、高齢になって年金生活の中で「終身払い」の方は、負担を重く感じているようです。

「終身払い」に比べて保険料が高くなりますが、収入があるうちに保険料の支払いを済ませる「短期払い」のほうが安心です。

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年金生活においても保険金を払い続けるのは、かなりの負担になります

4.保険選びのポイント2「支払事由」

公的な介護保険は認定調査と医師の意見書で要介護度が決まります。

民間介護保険で約款所定の要介護状態は、保険会社が独自に決めた要介護状態で判断する(独自基準)ものと、公的介護保険の基準に連動して判断するもの(公的介護保険連動型)があります。

診断書を書く医師の立場からすれば、公的保険連動型が絶対にお薦めです。保険会社独自基準のものは、あいまいなことが多く、保険会社に「支払事由に該当しない」と言われれば対応ができません。まさに「払ってもらいたいアマチュアと、払いたくないプロとの闘い」になり、保険会社の言いなりとなってしまいます。

公的介護保険であれば認定結果に不満があれば、何度でも変更申請をかけることができますが、民間で独自基準のものは変更のハードルはかなり高いと思います。

5.保険選びのポイント3「要介護の度数」

現在、民間の介護保険には、「要介護2で支払われるもの」と「要介護3以上が必要なもの」があります。

後者の「要介護3以上でないと支払われない保険」に加入してはいけません。なぜなら、現在、介護保険の認定はどんどん厳しくなっており、「何も変化がなくても介護度が1下がっていく」ような状態です。

そのうえ、特別養護老人ホームの入居条件が要介護3以上の認定が必要になったため、介護度2と3の間に高いハードルができています。よっぽどの方でないと、介護度3以上に認定されないのです。

つまり、介護状態の際に安心できると思って払い続けても「介護度3以上の認定が必要な保険」では恩恵を受けることは難しいと言えるでしょう。(多少安くても、実際に払われないのであれば意味がない保険であると言えます)

公的な介護保険における認定変更の手続きについては以下の記事を参考になさってください。

介護認定は変更可?正しい認定がつかない理由と対応法を専門医が伝授

6.結論!おすすめの保険は

以上を検討して、入るべき民間介護保険の条件が明らかになります。

・一生涯保証される「終身タイプ」

・払込期間は65歳までに完了できるものが選べるもの

・介護度2で支払われるもの

・公的認定と連動しているもの

これに加えて、高齢者においては「身体障害者」になってしまう可能性も考えるべきです。

例えば、脳梗塞や脳出血で片麻痺になった状態では、身体障害者認定では2級がついても、介護保険の認定では要支援の2もしくは介護度1程度にしか認定されません。

つまり、通常の民間介護保険では、身体障害者になってしまっただけの状態では支払われないのです。

介護度2および身体障害者の両方に対応できる保険は、私が調べたかぎりでは、「ソニー生命の生前給付保険」しかありません。ソニー生命の生前給付終身保険および生前給付定期保険は、「死亡および高度障害以外に、公的介護保険の要介護2以上と身体障害者手帳1~3級」で支払われるのです。

この保険は、保険営業を生業にしていない私の立場だからこそ言える「本当にお勧めの保険」なのです。

民間保険における高度障害認定については、以下の記事も参考になさってください。

高度障害とは・保険営業マンも知らない片麻痺だけでは非認定の理由

7.乗り換え時に注意

先日、私が経験した話です。知り合いの先生が加入しているA生命の介護保険の支払事由が要介護3以上であったため、保険を解約して入りなおすことになりました。

しかし、担当の営業マンがなかなか解約に応じてくれません(ときに脅しのようなメールさえ送り付けてきます)。そこで、A生命のコールセンターに連絡すると、「解約の場合は書類だけではダメで、営業マンとの対面で解約してください」と言い張ります。

そこで、他の保険会社に聞くと「営業マンとの対面でしか解約できないことはない」とのこと。念のため顧問弁護士に相談すると、やはり「そんなことはあり得ない。場合によっては直接電話しましょうか?」と言ってくださいました。

これらの話をコールセンターにして、ようやく「書類での解約」が認められました。A生命のこの対応は、明らかに「会社と営業マン双方による解約阻止」です。早急に改めてもらいたいものです。

皆さんも乗り換えの際のトラブルに注意してください。

8.まとめ

  • 多くの方に、民間の介護保険加入をお勧めします。
  • 加入の際は、終身タイプのものに、収入のあるうちに保険料の支払いを済ませる「短期払い」が安心です。
  • 保険を選ぶ際は、公的介護保険に連動して、介護度2以上で支払われる保険を選びましょう。
  • 公的介護保険で2以上に加え、身体障害者1-3級で支払われる、「ソニー生命の生前給付保険」は専門医の立場でも相当にお勧めの保険です。
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