高齢者の身分証明書問題を解決するとっておきの2つの方法

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Guy with driving license

高齢者になって、前頭葉機能が低下したり、認知機能障害が出現すると不思議と通帳を紛失しがちです。必死に探すのですが、これが見つからないものです。本人が大事な通帳を必死にしまい込むため、結果的に自分でも見つけることができなくなるのです。

そうすると銀行で通帳の再発行をお願いすることになります。そんな時に求められるのが、身分証明書です。それも写真付きのものを求められます。若い人であれば、運転免許証で事足りるのですが、高齢になり免許を返納もしくは更新しなかった人が増えています。そのため身分証明書が準備できなくて途方に暮れている方もいらっしゃいます。今回の記事では、そんな高齢者の身分証明書問題を解決するとっておきの2つの方法をご紹介します。

1.高齢者でも多い!身分証明書が必要な機会とは

一般的には、身分証明書は金融機関の口座作成や携帯電話の新規申し込みの際に必要とされています。若い人であれば、パスポート申込み、不在郵便物を郵便局に取りに行く際、レンタルDVDを借りる会員申込みなどでも利用します。高齢者でも活用機会は以外に多いものです。

elderly man inserting credit card to ATM

キャッシュカードや預金通帳をなくしたときはどうしますか?

1−1.通帳の再発行時

しかし、高齢になると思いがけない時に身分証明書が必要になるのです。高齢者および認知症専門外来で、多くの方が困っていることが「大事なものの紛失」です。特に多いのが預金通帳です。通帳を紛失したため金融機関に再発行をお願いします。その時には顔写真つきの身分証明書を求められます。その際に運転免許証がないと、銀行では住民票を求められます。そこで住民を取りに役所に行くと、発行のためには顔写真つきの身分証明書が必要になるのです。つまりどこまでいっても、顔つきの身分証明書がない高齢者は、通帳の再発行ができないのです。顔写真付きの身分証明書が一つあればスムーズにことが進むのです。

通帳の再発行問題については以下の記事も参考になさってください。

専門医が警告!「通帳が見当たらない」「再発行したい」は認知症かも

1−2.健康保険証の再発行時など

通帳以外にも、健康保険証の紛失は医療機関では社会問題です。なぜなら健康保険証を紛失した多くの方は、「医療機関に忘れてきたかも?」と医療機関を疑います。しかし医療機関では、健康保険証を預かっていることはあり得ません。

私が一度、地域の基幹病院を受診した際の話です。健康保険証を窓口で渡し、コピーを取ってからすぐに返していただきました。その間、1分程度。こんな短期間で、何と「健康保険証の受け取りを書くこと」を求められました。聞くと、「健康保険証を忘れてきていないかの問い合わせ」があまりにも多くので、返した証明のための「受け取り」を書いてもらっているのだそうです。

その他にもキャッシュカード、クレジットカード、印鑑登録カードなど年を取るとなんでも紛失するのです。ちなみに、簡単に発行できる当院の診察券などは、本当に多くの方が紛失されます。

2.身分証明書とは?

身分証明書とは、社会生活において、本人であることの証明や法的資格を示すために用いられる文書のことです。金融機関等では、顧客等に対して「本人確認書類」という表現に置き換えています。つまり、身分証明書と本人確認書類は同じものです。

本人確認に使用する公的な身分証明書は、本人の顔写真がついているものが原則です。顔写真がある身分証明書は、1 点提示してください。顔写真のない身分証明書の場合は、2点提示する必要がある場合があるのです。

2-1.顔写真付き身分証明書

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書(平成24年4月1日以降交付のもの)
  • 旅券(パスポート)
  • 個人番号カード(マイナンバーカード)
  • 在留カード・特別永住者証明書
  • 官公庁が顔写真を貼付した各種福祉手帳(身体障害者手帳など)

2-2.顔写真無し身分証明書

  • 各種健康保険証・各種年金手帳
  • 顔写真が貼付されていない各種福祉手帳(母子健康手帳など)
  • 取引に実印を使用する場合の当該実印の印鑑登録証明書
  • 住民票の写し・住民票の記載事項証明書
  • 印鑑登録証明書
  • 戸籍謄本・抄本(戸籍の附票の写しが添付されているもの)
Happy Senior Couple with Passports and Bags on White

海外旅行に出かける方ならパスポートは持っていますが、そうでない方のほうが多いです

3.免許放置はもったいない。運転経歴証明書を手に入れよう

免許証を持っていた方は、必ず運転免許証明書を手に入れましょう。

3-1.運転経歴証明書とは?

運転免許証の自主返納によって、全ての免許を取り消された人が交付申請を行うことが出来る証明書のことです。運転免許証に代わる身分証明や本人確認の際、使用することができます。交通違反を犯したり、認知症と診断されるなどの理由で運転免許が「取消し」になった人や、「免許停止処分」を受けている人の場合、自主返納することはできません。

3-2.交付申請可能期間

運転経歴証明書の交付申請可能期間は、運転免許証の取消しを受けてから5年以内です。

3-3.申請する場所

運転経歴証明書の交付申請は、運転免許証を自主返納した都道府県を管轄する、運転免許センター・運転免許試験場・警察署ですることができます。運転免許センターと運転免許試験場で申請した場合、即日交付されますが、警察署で申請した場合は、交付までに2~3週間かかります。

運転経歴証明書を取得できるのは、「自主返納をした人」だけに限られています。同様に、違反を犯して再試験を命じられた人も免許を返納することができないので、注意が必要です。

3-4.運転経歴証明書の有効期限

運転経歴証明書の有効期限は「永年有効」となっています。つまり、本人確認のできる身分証明として、一生涯有効ということです。

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免許証によく似ている経歴証明書が発行されます

4.マイナンバー通知書をマイナンバーカードに変えておこう

マイナンバーカードは免許証のなかった人も使える有効な身分証明書です。しかし、多くの方がマイナンバー通知書のままにしています。なんと、2017年8月末時点のマイナンバーカードの普及率は9.6%と10人に一人程度だそうです。しかし、高齢者及びそのご家族には積極的にマイナンバーカードを交付してもらいたいものです。(私は、家族全員交付しています)

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マイナンバーカードの見本(出典:北海道苫小牧市役所)

4-1.マイナンバー通知書は身分証明書として使えない

2015年(平成27年)10月から住民票を有する全ての方に、12ケタのマイナンバーが付与されました。 この各個人のマイナンバーを伝えるためにマイナンバーが記載されたカードが、簡易書留で各家庭に送られてきた「マイナンバー通知カード」です。残念ながら、この通知カードだけでは身分証明書として使うことはできません。

4-2.マイナンバーカードを発行しよう

マイナンバーカードは希望者にのみ付与されます。マイナンバーカードが欲しい方は、マイナンバーの通知カードに付随した「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行申請書」を同封の返信用封筒に入れて投函します。マイナンバーカードに載せる顔写真は、自分で用意して交付申請書に添付します。

マイナンバーカードの交付申請は、オンラインで行うこともできます。この場合は、まず通知カードに付随した交付申請書のQRコードから該当URLへアクセスします。そちらで必要事項を入力し、スマートフォンなどで撮影した顔写真のデータを送付すれば申請が完了します。この方法であれば、書類や顔写真を送付する必要はありません。高齢者の場合は、写真を準備することが結構大変です。若い方が写真を撮ってあげて、オンラインで申請してあげると、喜ばれます。

マイナンバーカード総合サイト(外部リンク)

https://www.kojinbango-card.go.jp/kofushinse/

4-3.マイナンバー通知書も紛失すると

実は、すでに「大事なもの」として、マイナンバーカード通知書も紛失している患者さんが多数いらっしゃいます。この場合は、お住まいの市区町村窓口(マイナンバー担当課)で、紛失届と再交付の申請を行います。そしてここでも身分証明書が必要となります。

<1点で良いもの>
運転免許証・住民基本台帳カード・運転経歴書(平成24年4月1日以降のもの)・パスポート・身体障害手帳・療育手帳・在留カード・特別永住者証明書など

<2点必要なもの>
健康保険証・医療受給者証・年金証書・児童扶養手当証書・生活保護受給者証・社員証・学生証など。

couple signing papers in bank

通知書を紛失しないうちにマイナンバーカードを作っておきましょう

まとめ

  • 年を取ると、「大事なものの紛失」が増えてきます。
  • その際の、「大事なもの」の再発行には、身分証明書は必須です。
  • 高齢になった場合は、身分証明書として運転経歴証明書もしくはマイナンバーカードを準備しておくことが大事です。
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