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2010年6月30日(水) 岐阜新聞掲載

『患者と家族を支える 認知症の本』 出

 

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現在、死亡原因の第1位はがんである。

がんと聞くと、疼痛に対する不安を口にされる方が多い。

昨年、地域の基幹病院で16時間に及ぶ医師対象の「暖和ケア」講習会が開かれた。

参加した医師は専門領域に関係なく開業医、勤務医の区別もなかった。

この講習会は民主党の故・山本孝史氏が自らのがんを告白して成立を訴えた「がん対策基本法」に基づくものである。

講習会の趣旨は、専門に関係なく、すべての医師に、がんにおける暖和ケアを知ってもらうことであり、麻薬使用による疼痛コントロールにかなりの時間が割かれていた。

現在、適切な麻薬使用を行えば、ほとんどの疼痛コントロールが可能であるが、残念ながら海外に比して日本の使用量は少ないようである。

今年4月からは、一定の知識、経験に基づく暖和ケアに対して、保険点数で評価されるようになった。

積極的な暖和ケアで疼痛がコントロールされれば、疼痛に対する不安も軽減されると思われる。

これからは、医師の不勉強で患者さんが十分な暖和ケアを受けられないということは許されない。

今後も各地で暖和ケア講習会が開かれる予定である。

より多くの医師が暖和ケアの研鑽を積むことが患者さんの穏やかな最期の一助になると思われた。

 

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