お葬式で一筋の涙を流させて下さい

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周辺症状がひどい女性患者さんがいらっしゃいました。
被害妄想が強く
子供達
さらには孫たちにまで
『お前ら、私のお金取っただろ!!』
その言葉は、
大声で、
攻撃的でした。
最初は反発していた
ご家族も
途中からは、
その力さえなくなっていました。
介護負担を背負う場合
専門医の立場からすると
介護者が怒っている場合は
まだ救いがあると言えます。
しかし、負担が極限を迎えると
怒りすら、湧き上がらなくなり
感情が平坦になってしまいます。
この状態になると、介護者の精神状態は
極めて危険と言えます。

そんな疲れ果てた患者さんが
初診で、最初に言われた言葉は
『介護生活ですべての涙を流し切り、
おばあさんが亡くなっても泣けないかもしれません。
せめてお葬式で一筋の涙を流させて下さい』
です。

まずは検査を行い
重度の認知機能障害に伴う
周辺症状と
診断しました。
そこで、
先回紹介したメマリーを処方。
投与後、2週間ほどで
ご家族が”信じられない”と言われるほど
穏やかになりました。
その後は、高齢のために心不全となり入院。
最後は家で看取りたいと退院。
退院3日後に、子供・孫・ひ孫にも囲まれ、静かに息を引き取りました。
もちろんご家族は、いっぱいの涙を流されていました。
看取りの際も、
“最後に穏やかな日々を送れた事”に対する感謝の言葉を戴きました。
泥棒扱いされたお孫さん達も、
亡くなったおばあさんのの体を拭いてくれていました。
彼らには、最後の穏やかな姿が残っていてくれていると思います。

人生の最後をも
素晴らしく彩ってくれる
メマリーの効果。
我々医師は、より多くの患者さんに
広める必要があると
感じたケースでした。

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