口腔ケアで認知症が改善!TBS「名医の太鼓判」で放送されます!

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Dentist work

当院では、約1年前から歯科衛生士さんを採用。定期的に認知症患者さんの口腔ケアを行っています。従来から研究レベルでは、口腔ケアと全身疾患の関連は指摘されていました。しかし、認知症専門クリニックに本格的な歯科チェアを配置したケースは全国でも珍しいものです。お陰様で、患者さんの口腔内環境が改善されるだけでなく、認知症自体も改善するケースが続出しています。

そんな経験が「認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!(かんき出版)」になり、多くの方に手を取っていただき増刷を重ねています。さらにこのたびTBSテレビの「名医の太鼓判!」の取材を受け、平成31年3月4日(月)の19時からの1時間番組の中で取り上げられることになりました。今回の記事では、テレビでは十分に伝えられなかった内容を、認知症専門医の長谷川嘉哉がご紹介します。

1.口腔ケアがなぜ認知症を改善する

口腔ケアがなぜ認知症を改善するのでしょうか?

1-1.歯周病菌がアミロイドβに関与

歯周病菌の毒素がアルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを増やし、認知症の症状が悪化することが実験で証明されました。歯周病のマウスの脳内では、歯周病菌から出ている毒素や、免疫細胞が細菌を攻撃するために出すサイトカインが増殖。それによって、アミロイドβが作られる量が増えていたのです。

1-2.一噛み、3.5㎖の脳血流が増える 歯を残そう

歯は歯根膜というクッションのような器官にめりこんでおり、噛むと30ミクロン沈み込みます。その圧力で、歯根膜にある血管が圧縮され、ポンプのように血液を脳に送り込むのです。1回噛むごとに3.5mlの血液が脳に送り込まれるとされています。噛むことで脳への血管に圧力が加わり、血液が流入するのです。その結果、反射神経・記憶力・判断力・集中力が高まる効果があると言われています。そのためには、歯周病を予防して歯を残すことがとても大事なのです。

1-3.脳全体の1/3が口腔内を支配する

口腔ケアを行うことは、脳を広範囲に刺激します。私の著書「おや指を刺激すると脳がたちまち若返りだす」では、表面積では1/10すら占めない指が、脳の中では1/3を占めることを指摘しました。実はそれ以上のことが口腔内ではいえるのです。表面積では、1/10以下の口腔内が、脳の中では、指以上に運動野と感覚野のそれぞれ半分以上を占めているのです。まさに、「口腔内を刺激すると脳がたちまち若返りだす」原理がおわかりいただけると思います。

Impact of Periimplantitis on body

歯周病菌は脳のみならず全身に悪影響を与えることがわかっています

2.机上の空論でない、医科歯科連携

従来から歯科と認知症をはじめとする内科疾患の関連が指摘されていました。しかし私の本、「認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!」ように、重刷を繰りかえしたり、マスコミに取り上げられるケースはあまりありませんでした。世間の機運としてこの重要性の認識が広まって来たのだと痛感します。

2-1.説得力が少なかったこれまでの出版物

過去に出された医科歯科関連の本は大部分は歯科医が書いたたものでした。どれだけ崇高なことを書いても、「結局、自分のクリニックの宣伝?」と思われてしまうのです。中には医師の立場から書かれた本もありますが、これもあくまで机上の議論であり、実体験が伴わないものが多かったのです。

2-2.在宅医療での医科歯科連携

私は、2000年4月に介護保険の施行とともに開業、訪問診療も開始しました。その時から、在宅医療で歯科医と歯科衛生士さんと連携しています。その結果、歯肉が赤く腫れていたのが、我々が診てもわかるほどに「ピンク色」に改善します。同時に、部屋の臭いも改善するから驚きです。我々が「寝たきり患者さん特有の臭い」と思っていたのが、実は「口臭」であったのです。

2-3.クリニックでの医科歯科連携

在宅での経験から、クリニックに歯科用の本格的チェアーの設置と歯科衛生士さんの雇用に踏み切りました。そこでは、毎日が驚きの連続です。認知症患者さんの4人に1人は総入れ歯。1年間入れ歯を外していない方もいました。殆ど、歯を磨かない患者さんもいます。歯科衛生士さん曰く、「認知症患者さんの口の中は、まさにゴミ屋敷」であったのです。まさに、これこそが医科歯科連携でわかった認知症の現実なのです。

3.口腔ケアで認知機能が改善した患者さん

認知症外来で口腔ケアを行うと、認知症の症状が改善する方が続出しました。ご紹介します。

3-1.側頭葉機能も改善

認知症は、MMSE(Mini Mental State Examination)という側頭葉の機能検査で評価します。口腔ケアを導入することで、3か月毎に行うMMSE検査が改善している患者さんが続出です。テストの点数だけでなく、ご家族も改善を実感されるほどです。

3-2.食欲が改善して意欲も向上

食欲も低下して、一日中座っていることが増えた82歳の女性患者さん。口腔ケアを開始後、食欲が改善。徐々に食事量も向上してきました。ご家族も「口のケアは大事なのですね」と驚くほどの改善です。以降は、患者さん自身が積極的に、月1回診察後の口腔ケアと自宅での歯のケアに取り組んでくれています。

3-3.若年性アルツハイマーの患者さん

進行が速いため、自身では歯は磨けません。奥様が磨こうとすると、口を閉じてしまい、しつこくすると暴力を振るうほどでした。歯科衛生士さんの口腔ケアができるか不安だったのですが、若い歯科衛生士さんにはとても素直で、おとなしく口腔ケアを受けてくれます。驚いたことに、「口のケアは心地よい」と認識をしてくれたのか、最近は奥様による歯磨きにも素直に応じてくれています。

Helpful hospital nurse helping an elderly woman eat lunch

口腔ケアを行うだけで、食事をはじめとしてさまざまな意欲がますことを日々痛感しています

4.エビデンスはどこまで大事?

最近のマスコミはエビデンスという言葉が大好きです。しかしあまりにエビデンスを重視しすぎると何もチャレンジできなくなるように思います。

*エビデンス:証拠・根拠、証言、形跡などを意味する。英単語 「evidence」に由来。

4-1.マスコミはエビデンスが好き

最近の風潮は、医学的エビデンスにこだわりすぎているように思えます。認知症は、記憶力より先に感情が鈍ります。感情を豊かにするためには、何よりも「心地良さ」が大事です。医学的エビデンスにこだわりすぎずに、感情に素直になって「自分にとって心地良いか否か」で判断されることをお勧めします。

4-2.エビデンスが好きな割には、無理な依頼

マスコミは、エビデンスにこだわる割には、映像のために無理な依頼をされます。今回の番組でも、認知症の進行した患者さんに、1回の口腔ケアで「できなかったことが、出来るようになった映像」が取れないかお願いされました。申し訳ありませんが、そんな魔法のようなことはできません。

4-3.エビデンスより心地良さが大事

認知症専門医として、ご家族に指導することがあります。「どれだけ健康に良いことでも、本人さんにとって不快なこと」は止めていただきます。いくらモーツアルトが頭に良いと言っても、嫌いなものを無理して聴いては逆効果です。口腔ケア後の爽快感は、認知症患者さんでも認識できるものなのです。

5.新年に新しい習慣を

新年を迎え、新しい生活習慣に取り組もうと思われている方が多いのではないでしょうか?そんな方にお勧めなのが、「定期的な歯科受診」です。歯周病を予防することで認知症を予防しましょう。

5-1.歯磨きだけでは不十分

「毎日歯磨きしていれば、虫歯や歯周病を防げる」と思っていませんか? しかし、全ての人が歯磨きだけで虫歯や歯周病を予防できるわけではありません。口の中の状態は、その人によって違うので、自分で行うブラッシングだけでは不十分です。歯周病対策にはいろいろな方法があります。しかし、残念ながら歯科受診に勝る対策はありません。

5-2.定期的な口腔ケアによる評価が大事

いかなる対策も評価がなければ意味がありません。歯磨きがうまくできているか? 生活習慣の改善が効果を上げているか? いずれも、歯科受診による評価が重要となるのです。評価の結果、効果があれば継続。効果がなければ修正する必要があるのです。そのためにも自分で漫然と対策を行なうだけではなく、歯科医による正確で客観的なチェックが必要なのです。認知症にならずに、一生使える脳を手にれたいならば、髪を切りに行くと同じ頻度、1~3ヶ月に一度は歯科受診したいものです。

5-3.信頼できる歯科医の選び方・・アマゾンでも高評価

私の著書「認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!」は、信頼できる歯科医の選び方についても評価をいただきました。認知症にならないためには、世の中に2〜3割しかないメンテナンスに取り組んでくれる歯科医にかかることが必要です。本から、一部をご紹介します。

  • ホームページは必須:今の時代、患者さんへの丁寧な説明は必須です。そのためには、ホームページで歯科クリニックの理念・取り組みを情報発信することは患者さんへの最低限の義務です。ホームページもない、あっても丁寧な情報発信をしていない歯科クリニックは論外です。
  • 歯科衛生士がいるか?:歯科衛生士が集まらないような歯科医に受診してはいけません。メンテナンスを積極的に行っている歯科クリニックには歯科衛生士は集まってきます。逆に、いまだに治療の助手程度にしか扱わない歯科クリニックには、歯科衛生士は集まらないのです。
  • チェアの数が認知症を予防する:できれば歯科クリニックの診療チェア数は5台以上のクリニックが安全です。歯科クリニックの診療チェア数の平均は3台です。しかし3台ではどうしても治療が中心になってしまい、メンテナンスが十分に行えないのです。
  • できれば医療法人:メンテナンスを積極的に行うには、それなりの設備・人の雇用が必要になります。そのためには、歯科クリニックの経営的基盤が不可欠です。一般的には、多くの患者さんに支持されて年商が一億円を超えると個人立から医療法人になることが多いようです。2016年10月1日現在の資料では歯科クリニック68,940件のうち、医療法人は13,393件と約19.4%です。不思議ですが、自分が医科歯科連携を始めて、「積極的なメンテナンスをしてくれる歯科医院が2〜3割である」と感じた数字に近いのです。

6.まとめ

  • 当院の医科歯科連携は実体の伴ったものです。
  • そのため、本も重版を繰り返し、マスコミにも積極的に取り上げていただいています。
  • 新年の新しい習慣として、「定期的な歯科受診」がお勧めです。
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