「テープ回してる?」認知症専門医がボイスレコーダーを持ち歩く理由

「テープ回してる?」認知症専門医がボイスレコーダーを持ち歩く理由

2019年7月の吉本興業の会見の冗談にならない話に、ボイスレコーダーのことが出てきました。実は、そのボイスレコーダーを私は常に持ち歩いています。人間は、何かよそ事をしているときに限って、良いアイデアが出てくるものです。そんな時に限って書くものがなかったり、書くことができない状況であることが多いものです。そんな時に、役に立つのがボイスレコーダです。

50歳を超えた自分にとっては、第二の脳との言えるほどの愛用品です。今回の記事では認知症専門医の長谷川嘉哉が、ボイスレコーダーの利用方法とお勧めアイテムを紹介します

1.ボイスレコーダーとは?

ボイスレコーダーとは、言葉通り、音を録音するものです。昔は、カセットテープやMDに録音していましたから、テープレコーダーやMDレコーダーと呼ばれていました。現在は、機器の中のメモリーやメモリーカードに記録するので、それをICレコーダーと言います。つまりボイスレコーダーも、ICレコーダーの一種です。

最近では、携帯電話で録音をすることができます。しかし車の運転中や、他ごとをしてる際には使いづらいため、私は専用のICレコーダーを使用しています。

2.人間はなぜよそ事をしているとアイデアが出るのか?

Men's feet in a bathtub, selective focus on toes
入浴中に突然閃くことがあります

人はなぜよそ事をしているとアイデアが出るのでしょうか? いろいろな考えがありますが、私は以下が原因だと考えています。

2-1.リラックスで潜在意識が顕在化

一つの事柄に集中して取り組むと、どうしても精神的にも、肉体的にも緊張状態になってしまいます。そんな時は、他に本を読んだり、映画を観たり、風呂に入ったり、散歩をすると、突然アイデアが湧いてくるものです。これは、他ごとをすることによるリラックス効果と考えられます。そして、実は湧いてきたアイデアとは、脳の潜在意識にあったものがリラックス効果で顕在化したものです。

2-2.景色が変わる

一つの事に集中すると、文字通り視野が狭くなり、情報量が減ってしまいます。ここで、他ごとをすると視野が広がり、実際に風景が変わることで視覚的な刺激をうけることでアイデアが出やすくなるのです。

2-3.脳血流が増える

他ごとをやって、散歩や入浴などをおこなうと脳への血液の流れが良くなり、呼吸も深くなることで酸素をたくさん体内に取り込むことができます。特に、散歩で下半身を使うと頭頂葉付近に血液が流れ込みます。このことで脳全体に血液が流れるので良いアイデアが生まれやすくなるのです。


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3.長谷川の使い方①・・散歩中に講演のレジメ作成

年間40本ほどの講演を行いますので、毎回レジメを作成する必要があります。そんな時には、ICレコーダーを持って散歩に出かけます。

3-1.散歩しながら、とにかく録音

散歩をしながら、講演で伝えたいことを、ひたすら録音します。それも文章であったり、単語であったりまちまちですが、気がついたらひたすら録音します。1時間も散歩をすれば、大体伝えたいことはICレコーダに録音できてしまいます。

3-2.帰宅後、マインドマップで系統立て

家に戻ると今度は、IDレコーダから文字起こしです。その際には、マインドマップというソフトを使います。マインドマップは、ニー・ブザンが提唱したノート術のソフトです。 紙の中心に主題を書き、伝えたいことを、系統ごとにまとめていきます。そうすることで、全体の流れがぶれることなく、伝えたいことが漏れることもなく、ときにあまり重要でないことは削除することで、全体がまとまります。

Leader personality
混乱した思考を整理するためにマインドマップが活用できます

3-3.ワードに変換

マインドマップが完成すると、これをワードで出力します。出力をしたものを、レジメとして分かりやすいように微調整をすれば完成です。

4.長谷川の使い方②・・運転中に予定アイデアを録音

私は、毎日片道30分ほど車で通勤しています。しかし、運転中に限っていろいろなアイデアが湧いてくるのでICレコーダーを横において運転しています。

そこで、アイデアが湧いたり、やることが思いついたら、すぐにICレコーダーに録音します。視線をそらさずにボタンを押すだけで録音が開始されますから便利です。そして、到着後メモに書き起こします。その後はそのメモにそって行動をしていきます。

Man Driving Open Top Car On Country Road
ほかに注意を払っている運転中に案外よいアイデアが出やすいものです

5.記憶力の低下を補う外部脳

昔は、ICレコーダーを使わなくても、記憶していることが出来ました。しかし、50歳を超えると、あとで「あのアイデアは何だったけ? 今日やらなければいけないことは?」と思い出せないことが増えてきました。そんな時に、ICレコーダに録音してから再度文字起こしをすると、それだけで記憶として定着化するから不思議です。まさに、ICレコーダーは私の外部脳とも言えるのです。

6.お勧め機種

そんな、今では手放せないICレコーダですが、私は以下の機種を使っています。この機種は、とてもコンパクトです。現在まで10年ほど使っていますが、壊れることもなく丈夫です。その上、パソコンにUSB端子に直接つなぐことができるので、音声をデータとして保存することも可能です。

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7.まとめ

  • 人はよそ事をしてる時ほどアイデアが出るものです。そんな時に、いつも持ち歩きたいものがICレコーダです。
  • 特に散歩をしているとアイデアが溢れでるので、ICレコーダーは必須です。
  • 吉本ではありませんが、あまりに理不尽な対応をされた時にも持ち歩くと良いかもしれません。
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