「痩せ」は万病のもと!医師が勧める理想体重維持で健康増進する方法

「痩せ」は万病のもと!医師が勧める理想体重維持で健康増進する方法

「体重を減らしたい」と多くの人が願っています。巷には、ダイエットのためのサプリメントやサービス商材、書籍、雑誌の特集が溢れていて、よく売れているようです。

実は多くの女性が、医学的には「痩せ」の範疇に入ります。164cmで49kgの方はそれなりの数いると思いますが、危険水域と言える数値です。

フランスでは痩せすぎモデルは仕事ができないようになりました。モデル体型に憧れて過度なダイエットをし、その結果、身体を壊す方があとを絶たないからです。(出典:「フランスで「痩せすぎたモデル」の起用が禁止に!?」コスモポリタン)

それもちょっと身体を壊すのではなく、皆さんが思っている以上に、健康に重大な影響を及ぼすのです。

この記事では、医師長谷川が痩せすぎが危険な理由と、健康体重の目安、スリムに見えて病気にもなりにくい健康体質を作る方法について解説します。

1.痩せすぎの女性が増えている

厚生労働省の行った「平成26年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると、痩せ過ぎの女性が増えている傾向にあります。痩せの者(BMI指数が18.5 未満の者 )の割合は男性5.0%、女性10.4%です。

この10年間でみると、 男性では変化はみられず、女性では有意に増加しています。なお、20 歳代の女性の痩せの割合は、17.4%です。(出典…平成 26 年 国民健康・栄養調査結果の概要 – 厚生労働省)

厚生労働省がなぜこのような数値を計測して発表しているかというと、「痩せ」が健康に及ぼす影響を懸念しているからです。厚労省ホームページでも警鐘を鳴らしています。(出典:厚労省e-ヘルスネット「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」)

2.あなたのBMI指数を知ろう

痩せか肥満かどうかを見る一つの指針として、前述の「BMI指数」という数値が使われます。

2-1BMI指数とは?

Body Mass Indexの略で、肥満度を表す指標のことです。

BMI=22を標準体重とし、25以上を肥満18.5未満を痩せすぎと判定します。この標準体重は人が最も病気になりにくい体重だといわれています。美を追求するのも良いですが、健康を考えるとある程度の体重は必要だということです。

2-2.BMIの計算方法

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))・・身長がメートルである事に注意してください。

たとえば身長160cm、体重56kgであれば、56÷(1.6×1.6)=21.9と標準体重です。一方、女性の憧れの体形の一つである、身長164cmで体重49kgであれば、49÷(1.64×1.64)=18.2となり、「痩せすぎ」と判定されます。「痩せすぎ」と聞くと、いい感じがしますが、健康的にはまったく逆です。164cmの身長があれば60kg前後で標準体重となります。

以下に簡単に計算できるフォームを用意しましたのでご利用ください。

2-3.BMIは 23から26.9程度あると死亡率が低い

鎌田實さんの著書「ちょい太でだいじょうぶ―メタボリックシンドロームにならないコツ」では4万人の調査報告で、死亡率は、「BMI 23から26.9で死亡率が低い」と報告されています。私も長年23前後をキープするようにしています。

3.痩せが危険な7つの理由

「痩せていればきれいに見えるからいい」ということではありません。痩せ過ぎがまねく健康への悪影響と病気の危険性をご紹介します。

Depressed girl with eating disorder
過剰なダイエット意識は心身ともに健康を害す原因となります

3−1.女性ホルモンのバランスが乱れる

体重減少により、女性ホルモンのバランスが崩れてしまうと、生理周期のコントロールに大きく関わって、生理不順が起こることがあります。悪化すると不妊に発展することさえあるのです。また、ホルモンバランスが崩れることでエストロゲンが減少すると、動脈硬化が進行しやすくなります。

動脈硬化は、脳卒中など重篤な疾患の原因となります。片麻痺などの運動障害はもちろん、血管性認知症も引き起こし、健康寿命を著しく短縮させてしまうのです。

3−2.スタミナが足りず疲れやすい

痩せ過ぎの人は筋肉が足りないので、疲れやすく、疲労回復も遅くなります。ちょっとしたことでも疲れやすいので運動が嫌いな人が多いのですが、動かなければ筋肉が増えることもなく、痩せる一方です。

3−3.血行不良による冷え性や肩こり、肌トラブル

痩せ過ぎの人は筋肉量も脂肪も少ないので、血流が悪く冷え性や肩こりになりやすくなります。冷え性になると血液の循環が悪くて体の隅々まで酸素や栄養が行き渡らないので肌もくすみ、乾燥肌の原因になります。

3−4.免疫力が低下して風邪を引きやすくなる

必要な栄養素が足りていないので、免疫力が低下し、ウィルスや細菌に感染しやすくなります。風邪を引きやすいくらいならまだしも、免疫力が低下していると様々な病気を引き起こす原因にもなるのです。

3−5.出産時の低出生体重児のリスク増大

妊娠、出産は命がけの大仕事ですから、母体は平常時よりもたくさんの栄養を必要とします。妊娠したときに母体が栄養不足だと、胎児に必要な栄養を供給することが出来ないので成長に影響が出てしまいます。早産ではないのに体重が少ない低出生体重児(2500g未満)の危険が普通のママよりも2になります。しかも低出生体重児は、適正体重で生まれた子どもに比べ、成人してからの生活習慣病のリスクが6倍にもなるといわれています。

3−6.骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスク増大

栄養・カルシウム・運動不足から骨密度が減少し、骨にも悪影響を与えます。骨密度が減少した結果、骨折の危険性が高まる骨粗鬆症になります。日本における骨粗鬆症の患者数は約1,300万人、その8割近くが女性です。


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骨密度は10代で急激に増加し、20代で最大量に達します。その後40代半ばくらいまでは、運動や栄養に気を配ることで骨密度を微増させることは可能ですが、急激に増やすことはできません。骨密度が最大量に達してから40~50代で減り始めるまでは、基本的に骨密度を維持することが重要となります。

つまり、10代は骨づくりにとても重要な時期となっており、この時期に、骨の形成に必要なカルシウムやビタミンD、Kなどを積極的に摂取し、骨を頑丈にするための運動をしっかり行うことが大切なのです。年齢を重ねても丈夫な骨を維持できるよう、若いうちにできるだけ骨密度を高めておきましょう。

Woman with trauma
中年以降の女性はカルシウムが流亡しやすくなります。骨折すると運動量が減り、認知症などのリスクも高まります

3−7.メンタル面では?

痩せたいと思うあまりに過剰なダイエットを繰り返し、食べることが出来なくなり極端に体重が落ちてしまうことがあります(拒食症)。また、食べることがやめられず、食べ過ぎへの罪悪感から嘔吐などを繰り返す嘔吐過食症や、拒食症の後に過食症を引き起こし、食欲をコントロールできなくなることもあります。栄養失調により最悪の場合は死に至ることもあるのです。

4.理想的なBMI値「23」を維持する方法

この章では、私が実践している健康的に痩せ過ぎ(太り過ぎも)を解消する方法をご紹介します。

4−1.食事・・良質なタンパク質を摂る

食事はタンパク質を摂取する事を意識しましょう。外来をやっていても、90歳を超えても元気な方は間違いなく、若いころからタンパク質を摂取しています。

具体的には、肉、ウナギ、てんぷら、寿司が好きな方が多く、知らないうちにタンパク質を摂取しているようです。タンパク質は、筋肉を作るもととなるので毎日欠かさず摂取しましょう。

4−2.運動を行う

適度な運動で筋肉をつけましょう。そもそも適正な筋肉量があれば痩せすぎになることはあり得ません。しかし、急に筋トレなどやり慣れない運動をすることも要注意です。辛かったり筋肉痛を感じると習慣化が難しいからです。

まずは無理のない範囲でストレッチやウォーキングなどできそうなことからやっていって、「運動する」ということに慣れましょう。

次章では私が勧める運動ツールをご紹介します。

5.一日15分の新健康習慣「ブレイングボード®」とは

長谷川が考案したブレイングボード®を使うと、健康維持、強化に必要な四つの運動が一度にできます。ブレイングボード®では、四つの運動「有酸素運動」「筋力トレーニング」「柔軟性」「バランス運動」を同時に行うことができるのです。新しい健康習慣のご提案としてお勧めさせていただきます。

ブレイングボード®を使って、以下の四つの動きを一セット行うと、時間にして15分程度となります。軽く傾斜のついたプレイングボード®の上で、ゆっくり呼吸しながら身体を動かすことで戸外でのウォーキングに近い有酸素運動の効果が得られます。

BrainGBoard
老若男女お使いいただけるまったく新しい運動器具です

5-1.うちがえし

まず、両足でブレイングボードに立ちます。すると、自然と足の裏側の筋肉が伸ばされ、柔軟性が高まります。さらに、足の裏を底屈(足の指で接地面をつかむような曲げ方)しながら、外側に体重をかけると膝関節、股関節、肩関節が開き、自然と姿勢がよくなります。その姿勢が改善する姿は、前傾姿勢が強い原始人が人類に進化するようです。

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土踏まずのアーチ回復効果もあります

5-2.マーチング

ブレイングボードの上で青竹踏みのように足踏みします。目安は、1〜5分。やってみるとわかりますが、緊張した足の裏に適度な刺激が伝わり、筋肉が柔らかくほぐれていきます。さらに傾斜がついていることで1〜5分でも身体に適切な負荷がかかることが実感できます。

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傾斜があることで単なる足踏み運動よりも、負荷が高まっています

5-3.膝伸ばし

ブレイングボードの上で膝の屈伸運動を行います。手で摑む場所を膝、ふくらはぎ、足首へと動かしていくことで、全身のストレッチにもなります。ボードに乗る前は手が床につかなかった方も、ボードから降りると、あら不思議! 手が床につくように改善される方もいるのです。

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膝、ふくらはぎ、足首を掴んで屈伸するだけです

5-4.片足立ち

片足立ちを続けるためには、逆の足にかなりの力を入れて踏ん張る必要があります。その結果、体幹を中心とした筋肉のトレーニングとなり、筋肉量を増やすことが可能です。ちなみに、一分間の片足立ちによる負荷は50分の歩行に相当します。筋肉量が増えることで、痩せすぎを予防することができるのです。

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傾斜と独特の素材感触により、普通の片足立ちより、効果が高くなっています

ブレイングボード®の動画は以下でご覧ください。

製品は8,640円(税・送料込み)にてお買い求めいただけます。

6.まとめ

  • 痩せすぎは万病のもとになります。
  • 見た目より健康を意識した適正BMIを基準とした体重を目標にしましょう
  • 適正BMIを達成するためには、タンパク質を中心とした食事、運動が必要です。
  • 4つの運動を同時にこなせるブレイングボード®はお勧めです。
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