92歳女性の美学!

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以前もブログでご紹介したのですが、我々在宅医療に従事している医師の間で、『最後はどんな病気で死にたい?』という話をすると、心臓疾患や脳血管疾患でなく、癌を上げる方が多いようです。一つの理由に最低限の介護で死を迎えられることが一因です。

介護とは、大きく分けると身体介護と認知症介護に分けることができます。脳梗塞や脳出血で肢体に不自由が生じると移動の際に介護を要します、また認知症も進行すれば、介護者による見守りが必要となります。つまり、自分のことは自分でできる運動機能が維持されて、認知症にならなければ他人から介護を受ける事はないのです。

そのため、ある程度の年齢で癌の診断を受ける事は、“他人の手を煩わせることなく死を迎えることができる”ことなのです。癌の場合は、平均死亡する2-3日前までは自分でトイレ等に行けているという統計データがあります。

先日、開業以来当院の外来にかかっていただいていた膵臓癌の92歳の女性は、最後の1か月は訪問診療で対応させていただきました。しかも、驚くことに朝の4時にベッドサイドのポータブルに行き、その5時間後の9時にお亡くなりになりました。私も開業以来、300名以上の方を在宅で看取ってきましたが、初めての経験です。最後まで、おむつを使うことを拒否し、トイレでの排泄を全うされた患者さんには敬意を表したいと思います。14年間も診察させていただき、最後を看取らせていただいたことに感謝します。

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