家は夏をむねとすべし?

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日本家屋は、“家は夏をむねとすべし”という考え方から、欧米に比べても日本の家は特に寒いようです。裏づけるデータとして家庭1世帯あたりの年間エネルギー消費量を国別に比較すると、暖房用は欧米諸国が日本の4~6倍、韓国も2倍以上使っているそうです。日本人は、“冬に寒いのは当然”と我慢しているようです。

その上、日本家屋は断熱性能が劣っています。特に性能差が大きいのが窓です。冬に屋外へ流出する熱の半分が窓からとされています。断熱性能を示す熱貫流率(低いほど高性能)をみると、日本では2.33以下を最高性能と認定し、売れ筋のアルミ複層ガラスは4以上。対して、ドイツは1.3超を使用禁止にしているそうです。つまり、日本は断熱性の基準も極めて緩いのです。暖房使用が極端に少ないうえ、性能は低い。日本の家が寒くて当然なのです。

これは訪問診療をしていても痛感します。訪問先の家でも、昔の木の枠の窓の家は本当に寒いです。窓のふちに隙間が見えるぐらいですから当たり前です。ストーブが本当についているのかと疑うほどの寒さです。外で息が白くならないのに、室内で息が白くなります。ストーブも不完全燃焼しているように臭いのですが、幸い?隙間風が多いためか一酸化炭素中毒にはなりそうもありません。そんな環境では一日中布団の中で生活していることが増えています。布団から出ても、厚手の服を何重にも重ね着をするため動きが悪く、ますます日常生活動作は落ちていきます。もちろん転倒の危険性も高くなります。

それに対して、優雅に床暖房のきいた部屋は、ストーブのような対流熱ではない輻射熱のためにとても快適な温かさです。炬燵のように一か所に留まることもないので、日常生活動作が落ちるようなこともありません。もちろん着ているものも薄くて暖かいため、軽快で転倒の危険性も少なくなります。このように在宅療養をしている方の居住環境には差があり、結果として健康格差につながっています。

“夏に涼しい家で、冬は寒さに耐える日本の伝統“に疑問を持ちながら、背中とお腹にダブルでカイロを貼り、日々訪問診療をしています。

                                     

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