薬の飲み残しは、認知症の初期症状

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先回、高齢者の「残薬」の問題を紹介しました。しかし認知症の専門医からすると、『薬の管理』は結構難しいものなのです。そのため認知症初診では必ず、“薬の服薬管理”についてお聞きします。
通常、認知症の側頭葉を評価するMMSE検査で20点を切ってくると服薬管理が難しくなります。逆に、服薬管理ができていれば、認知機能は比較的維持されているといえます。同じようなことは、“ATMで暗証番号で出金ができる”や”レパートリーも味付けも変わらず料理ができている“でも同様に認知機能は維持されているといえます。

逆に、MMSEが20点を切っている患者さんへ処方する際には、『基本的に薬の管理はできない』という前提で対応する必要があります。そのためには、

① 処方する薬は必要最低限に
② できるだけシンプルな処方を、毎食後などは避けて、できれば1日1回にまとめる。
③ 薬は、1つの包みにする“一包化”にする
④ 一包化したものをカレンダーに貼ったり、日付を付けた薬箱で管理
⑤ できれば家族に管理してもらう。その際は、渡すだけでなく飲み込むところまで見てもらう。
⑥ 家族対応が難しければ、デイサービスやヘルパーさんに対応してもらう
などの工夫が必要になります。

ですから認知症の薬でも、1日2回服薬するものや、毎食前に服薬する薬などは介護力によって処方自体ためらうことさえあるのです。時には、一人暮らしで、家族の援助も期待できず、介護サービスも拒否される患者さんもみえます。そうなると処方すらできなくなり、内科医は全くのお手上げとなってしまいます。

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