食事量の減った方には、食事よりラコールを優先して欲しい理由を医師が解説

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Elderly women hospitalized

多くの医師は、患者さんの食事量が減ってきたり、胃瘻から栄養を入れる場合、半消化態栄養剤のラコールを薬剤として処方します。そして処方後、数か月たつと、なーんと髪の毛は黒々として、髪の毛も増えてくるのです。これは現場の医療従事者の中では公然の事実となっています。もしかすると、ノーベル賞級の秘密が半消化態栄養剤には含まれているのかもしれません。今回の記事では認定内科専門医の長谷川嘉哉が、高齢者に使用する半消化態栄養剤についてご紹介します。

1.半消化態栄養剤とは?

外来では、高齢や体調不良によって食事量が十分に取れない方を診る場合があります。そんな時に医師が処方する栄養剤を半消化態栄養剤といいます。その中でもよく処方されるものがラコール(大塚製薬)です。

1-1.栄養満点

ラコールには、からだに必要な糖質、タンパク質、脂質、電解質、ビタミンおよび微量元素などが含まれています。

1-2.高カロリー

ラコールは、1kcal/1㎖であり、通常の食品よりも少量で高エネルギーを摂取することができます。

1-3.薬として処方が可能

患者さんの食事量が減ってくると、薬局等で栄養補助食品を購入される方がいらっしゃいます。これらは結構な値段がします。

半消化態栄養剤は、医師が薬として処方が可能です。ちなみに、ラコールNF配合経腸用液は200㎖で146円です。1日1本を30日処方して、30本で4380円。高齢者で1割負担であれば、僅か438円の負担になります。牛乳やポカリスエットを購入するよりも、栄養もカロリーも豊富で安価です。

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ラコール(出典:大塚製薬)

2.どんな方に処方

ラコールはどんな方に処方するのでしょうか?

2-1.ラコールを主として、食事は嗜好品程度が求められる方

全身状態が悪化してくると食事量自体が減ってきます。その状態で栄養のバランスをとった食事を摂ることは大変困難です。そんな時には、1日200から400㎖のラコールを最優先して摂ってもらいます。食事はあくまで、補助です。必要な栄養素はラコールから取れているので、食事は偏ってでも好きなものを食べてもらえます。

この方法をとると食事を準備をする介護者が、栄養を気にせず患者さんの好きなものを作ればよいので介護負担が軽減します。

2-2.食事の代わりに

正直、ラコールは甘いため、普通の人が飲むのは少し苦痛です。しかし、年を経ると味覚が鈍くなるため、甘みが強いものを好まれます。そのため、栄養のすべてをラコールだけで摂られる方もいらっしゃいます。

2-3.胃瘻

口から食事がとれなくなった患者さんに、人工的に皮膚と胃の間に穴を作ってチューブを通す処置のことを胃ろうといいます。胃ろうからの投与される栄養としてラコールが処方されます。この場合は、身体の大きさ等を考え、1日800〜1600㎖を投与します。なお、胃ろうについては以下の記事も参考になさってください。

胃ろうはやるべき?メリットデメリット7つのポイントを医師が解説

3.ラコールは寿命も伸ばす

ラコールを積極的に服用できる患者さんは寿命が延びます。

3-1.犬の寿命はなぜ延びた?

栄養は、寿命に影響を及ぼします。昔の犬の食事を思い出してください。人間の残り物をごはんとして与えている家も珍しくありませんでした。しかし、人間の食べるごはんは犬にとって塩分濃度が高すぎる、糖分が高すぎるなど、様々なデメリットが存在します。これにより、一昔前の犬は平均寿命が7.5歳程度でした。現在は犬に合ったドッグフードが数多く揃えられており、食生活が急速に改善されたと言えます。これが犬の寿命が伸びた最も大きな理由です。

3-2.お粥では長生きできない

ある意味ラコールは人間にとってのドッグフードようなものです。食事量が減ってくると、栄養のバランスを取ることは難しく栄養が偏るものです。昔は、このような状態ではお粥を食べてたものでした。しかし、お粥には炭水化物しか含まれていません。患者さんは、日が経つと低タンパク血症となり、徐々に尿量が落ちて寿命を迎えたものでした。ある意味これが自然の流れだったのです。

しかし、ラコールを飲んでいればそんなことはありません。タンパク質として必須アミノ酸も完全に網羅されされています。そのためラコールだけになっても低タンパク血症にはなりません。ラコールが飲める限り、寿命は伸びるのです。

Japanese food, pickled Plum Umeboshi and congee

高齢の方には、体調が悪い時はお粥しか食べない方がいますが、栄養面ではなにかと不十分です

4.ラコールの凄い効果

ラコールには、寿命以外の効果もあります。

4-1.肌がきれいに

食事量が減ってくると、皮膚の色が悪くなってきます。ひどいと、介助の際に皮膚がめくれてしまうことさえあります。皮膚は身体の状態を現わします。特に、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)などが皮膚に重要ですが、ラコールにはすべて含まれています。その上、微量元素の効果もあり、肌の色も良くなってきます。

4-2.髪も黒く、ふさふさに

ラコールを摂取して数か月たつと、なーんと髪の毛は黒々として、新しい髪の毛も増えてきます。健康的な髪の毛を育てる3大栄養素は、「たんぱく質」「ビタミン」「亜鉛」と言われています。 特にミネラルの一種である亜鉛は摂取しずらいものです。もちろん、ラコールには髪の毛を育てる3大栄養素はしっかり含まれているのです。

Volunteer combing odler patient's hair

育毛においては、どのような育毛剤よりも効果があるように感じています

5.おすすめ半消化態栄養剤は?

実は、半消化態栄養剤には種類がありますが、ラコールがお勧めです。

5-1.ラコールがお勧な理由

『ラコール』は、他の半消化態栄養剤にくらべ、三大栄養素のうち「脂肪」の割合を減らし、日本人に合わせた栄養バランスになった製剤です。また「タンパク質」の面でも、大豆食品の摂取量が多い日本人の食事内容に合わせ、植物性タンパク質が多めに配合されています。

ラコールの優れた点を知らない医師の中には、エンシュアリキッドを処方される方もいます。しかし、エンシュアリキッドはラコールに比べ、脂肪の比率も高いことから、下痢などが起こりやすくなります。

また、ラコールはパウチパックですが、エンシュアリキッドは缶です。細かいことですが、今の時代、分別してゴミに出すときにラコールの方がかさ張らない点も介護者には喜ばれます。

5-2.ラコールは味も良い

ラコールは、エンシュアリキッドに比べ脂肪分が少ないため、飲みやすくなっています。味も、コーヒー、ミルク、バナナなど豊富です。

さらに、ラコールにゼラチンを加えてプリンを作ると味がマイルドになり、若い人でもおやつになるほど美味しくなります。さらに、プリンをボールに入れて短冊状に切るとウドンのように流し込むことも可能です。

6.まとめ

  • 食事量が落ちてきた患者さんの栄養補助として、医師は半消化態栄養剤(特にラコール)を処方できます。
  • ラコールを服用すると肌も奇麗に、髪も黒々、フサフサします。
  • 半消化態栄養剤のなかでも、脂肪分が少ない点からもラコールがお勧めです。
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