義務化が進む自転車保険・イザ!に備える加入状況のチェック方法とは

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Fell of the bike

私の外来では、高齢の方でも自転車に乗っておられる方がいらっしゃいます。特に自動車事故の増加により、高齢で免許を返納された方が、移動手段として自転車を利用されていることもあります。

ところが最近では自転車による重大な事故で、高額な賠償金を請求されるケースも増えています。そのため、自転車に乗る場合にも、自動者と同様に自転車保険への加入が望まれます。今回の記事では、フィナンシャルプランナー資格を持つ高齢者専門医長谷川嘉哉が、自転車保険についてご紹介します。

1.自転車保険とは?

Nishiki market street with chef in uniform man riding bicycle delivering bag of rice

気軽な自転車ですが、思いがけない事故を起こす可能性をはらんでいます

自転車保険とは、自転車運転中のケガで入院・通院した場合の自身の補償と、相手にケガを負わせてしまった場合の損害賠償に備えるための保険商品です。

1-1.子供や高齢者でも賠償責任が発生

自転車事故の場合、運転していたのが子供であろうが、高齢者であろうが、過失の有無や程度により、対人・対物の損害賠償の責任が発生します。

1-2.賠償義務が高額になることも

本人に支払い能力がなければ、保護者や監督責任者が賠償義務を負うことになります。ケガ程度であれば賠償額も弁償できるかもしれませんが、後遺症が残ったり死亡した場合は、賠償額は高額になります。

1-3.自治体によっては、義務化も

東京都は自転車を利用する人やその保護者に自転車保険の加入を義務付ける条例の改正案をまとめ、2020年4月の施行を目指すことになりました。自転車保険の加入義務化は、国ではなく地域・自治体によってルールが異なっています。すでに(平成30年12月時点)、以下の自治体では自転車保険の加入が義務付けされています。

  • 神奈川県相模原市
  • 埼玉県
  • 愛知県名古屋市
  • 滋賀県
  • 大阪府
  • 京都府
  • 兵庫県
  • 鹿児島県

2.何を補償するの?

Car-dooring -- Cyclist in the rain on collision course with car door

ぶつかったりぶつけてしまったりで、損害賠償責任を負うことがあります

自転車保険に加入すると、以下のことが補償されます

2-1.自身の死亡保障

保険加入者が死亡した場合に死亡保険金が支払われます。ところが自転車保険の死亡保険金は、高額ではないために、遺族の生活保障のためには別途生命保険会社による生命保険に加入しておく必要があります。

2-2.自身の治療費

保険加入者が入院したり、手術を受けた場合に、入院給付金や手術給付金を受け取ることができます。また、プランによっては、通院給付金を受け取ることもできます。

2-3.損害賠償責任への補償

自転車事故でも、賠償額が数千万円から億を超える事もあります。自転車保険には、多くの場合、個人賠償責任補償がついていますので、損害賠償に対応する補償を受けることができます。自転車保険で、もっとも重要な補償が、個人賠償責任補償です。自転車保険の加入を確認する場合は、個人賠償責任補償の有無と内容の確認をお願いします。

2-4.車両盗難特約

これは、特約になります。自転車が盗難にあった場合に、保険金を受け取ることができます。

*特約:保険は、主契約と特約の組み合わせによって構成されています。主契約とは、加入する場合に基本となる部分です。特約とは、その主契約に対して付加するオプションの契約のことをいいます。特約を複数付けることは可能ですが、特約のみで加入することはできません。

3.個人賠償責任保険に知らないうちに加入していることも

先ほどご紹介したように、自転車保険加入にあたって最も大事なことは、被害者への補償に充てる「個人賠償責任保険」です。個人賠償保険については「知らないうちに加入している」ことが多いものです。個人賠償保険は、家族に一つあれば十分な保険です。重複による無駄な保険料を防ぐためにも以下を確認されておくことをお勧めします。

  • 自動車保険:特約でセットされていることが多いものです
  • 火災保険:特約でセットされていることが多いものです
  • 傷害保険:クレジットカードに付加されていることも多いものです。
  • 各種共済
  • PTA保険
  • 団体保険:マンション住まいの場合は管理組合で各種保険に加入していることもあります

4.TSマーク付帯保険には有効期間がある

自転車を購入した場合に、TSマークがついてくることがあります。TSマークには、傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いているので、すっかり安心されている方がいらっしゃいます。しかし、TSマークの保険の有効期間は、記載されている日から1年間のみです。それ以降は、補償されないため注意が必要です。

TSマークの詳細は以下をご覧ください。

公益財団法人日本交通管理技術協会 TSマーク

5.法人経営者は注意

個人の方で自動車保険か火災保険に加入していれば、個人賠償責任保険には自動的に加入されている場合が多いものです。しかし、法人の経営者は注意が必要です。法人の経営者の場合、自動車保険も火災保険も法人名義で加入されている方が多いものです。個人賠償責任保険はあくまで個人のものですから、法人経営者の中には、未加入の方がいらっしゃるのです。(実は私もそうでした)。個人賠償責任保険の有無を確認しておきましょう。

6.個人賠償責任保険に加入しよう

3章で確認いただいた個人賠償責任保険の特約も加入していないことが分かり、、TSマークも期限が切れていた場合は、改めて個人で、個人賠償責任保険に加入しましょう。

私は、さっそく東京海上日動火災保険で、「傷害総合保険(傷害定額条項)」に加入しました。もちろん、個人賠償責任補償特約として「保険金額 国内無制限(国外1億円)、免責金額なし」の条件です。保険料は年間で6160円ですから、月に500円程度です。

7.まとめ

  • 高齢者も運転する自転車による事故が増えており、賠償額も高額になっています。
  • これを補う保険は、個人賠償責任保険ですが、知らないうちに個人の火災保険や自動車保険の特約で加入していることが多いものです。
  • 個人賠償責任保険に加入していない場合は、月額数百円ですから加入をお勧めします。
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