資産と純資産の違い・本当のお金持ちは?FP資格を持つ専門医が解説

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Businessmen with plants

医師、とくに脳神経内科医は「癖」として、「言葉の定義」にこだわります。

そんな脳神経内科として、マスコミやネットで気になる言葉があります。「資産」と「年商」です。どちらも多いことで、お金持ちであることを表現したいようです。しかし、「資産が多いこと」や「年商が多いこと」はお金持ちを意味する言葉ではありません。今回の記事では、ファイナンシャルプランナー資格をもち、言葉の定義にこだわる脳神経内科専門医の長谷川嘉哉が、資産や年商の正しい定義をご紹介します。

1.「資産が多い」は、お金持ちを意味しない

Income and outcome balances concepts

負債が多くても+の部分だけ強調して伝えられるのが「資産」です。

マスコミやSNS上で「資産10億円の若手経営者」、「たった3年で資産10億円」「どん底から資産10億円を築いた」などの表現が溢れます。テレビであれば芸能人が「凄い!」「羨ましい!」「どうやって!」のなどと驚嘆の声を上げています。

1-1.借金を10億円して10億円の資産を購入したら?

しかし、知識があれば「資産10億円」はお金持ちを意味しないことが分かります。会計用語での資産とは、「現金、預金、株式、土地、自社ビル、社用車、商品、設備、債権など」を言います。しかし、それをどうやって手に入れたかは、別問題です。つまり、借金を10億円して10億円の資産を購入しても、表面上は「資産10億円」なのです。

1-2.お金持ちを評価する基準は、「純資産」

本当のお金持ちを評価する基準は、「純資産」です。純資産は、資産総額から負債総額を差し引いた金額を指します。ですから、純資産が10億円もあることは凄いのです。逆に、借金を10億円して10億円の資産を購入したら、純資産はゼロなのです。

1-3.資産という言葉を使う人は、お金持ちでない

そもそも純資産が少ない人だから、あえて「資産」という言葉を使うのです。言ってしまえば、「資産」という言葉を使う人は、お金持ちでないと考えて良いのです。

2.純資産を増やすことは難しい

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純資産は、まっとうな事業をしていると少しずつしか増えません

お金持ちを評価する基準としての、「純資産」を増やすことは、かなり大変です。

2-1.日本の税制では、純資産を増やすことは難しい。

日本の場合、税制上多くを稼いでも、税金が高いため純資産を増やすことは至難の業です。仮に個人であれば、1億円稼いでも税金で55%は持っていかれます。その残りで生活もする必要があります。つまり、1億円稼いでも1年で純資産は数千万円増やすことが精一杯なのです。

2-2.純資産を増やすに年数がかかる

法人は個人程税率が高くはありませんが、やはり30%程度は税金がかかります。それなりの純資産を蓄えるには、数年では困難です。地道に利益を上げ、税金を納めることを何年も続けることで純資産は増えるのです。だからこそ会社を評価する場合は、1年ごとの損益計算書よりも、過去の積み重ねをみる貸借対照表が大事になるのです。

2-3.わずか数年で純資産??

以上の理由で、僅か数年でお金持ちになった人の多くは「資産」という言葉を使います。この日本では、数年で「純資産」を増やすことはかなり難しいのです。数年で純資産を増やすには、相当に利益率の高いビジネスをするか、税金を払っていないかのどちらかなのです。

3.年商が多いだけでは、お金持ちを意味しない

資産と同じように、マスコミやSNS上で「年商10億円の若手経営者」、「たった3年で年商10億円」、「どん底から年商10億円」などの表現が溢れます。

年商とは、あくまで売り上げです。経費は含んでいません。つまり年商10億円であっても経費12億円で2億円の赤字もあり得るのです。

本当に利益を上げているか否かは、少なくとも営業利益、経常利益で論じたいものです。

*営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

*経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

4.言葉の定義を知れば騙されない

Businessman keeping Japanese yen money into suit pocket

資産や年商という言葉で箔をつけ、甘い言葉で忍び寄ってくる輩がいます

最近では、多くの怪しげな人が「お金を稼いでいる感」を出すために、資産や年商という言葉を使って近寄ってきます。

4-1.資産や年商を使う人は、本物でない

上記までで書いた理由で、「資産」や「年商」を使う人は本物ではありません。逆に、「純資産はいくらですか?」や「経常利益はいくらですか?」と聞いてみると良いでしょう。

4-2.結局何かを買わせたい?

怪しげな人は、結局何か売りたいものがあります。例えば資産形成の相談をえさに、保険を売り込んだり、不動産を売りこんだりです。世の中、無料で人の相談に乗るほど甘くはないのです。

4-3.そもそもお金持ちは?

そもそも本当にお金がある人は、自分の資産や年商を口にしません。もちろん何かを売り込むこともありません。

5.お金持ちは年収を聞かない

資産や年商と同じように、年収という言葉も不思議な言葉です。

5-1.年収はサラリーマンの概念

年収はあくまでサラリーマンの概念です。サラリーマンでお金持ちの人は少ないわけですから、お金持ちは年収という概念自体、あまり持っていないのです。

5-2.お金持ちは、個人・法人を使い分ける

データは古いのですが、2001年に国税庁が発表した「高額納税者名簿」を分析すると、年収3000万円以上のお金持ちの1位は、企業経営者です。全体の33.3%だそうです。彼らは、役員報酬としての年収と、法人の利益を使い分けることで純資産を増やしているのです。

5-3.役員報酬と法人の利益を合わせて菅野の年棒以上!!

先日も、テレビで風水の専門家が、芸能人から年収を聞かれていました。彼女は、役員報酬と法人の利益を合わせて、巨人の菅野投手の年棒以上と答えていました。これはかなり儲けています。

6.まとめ

  • 本当のお金持ちは、「純資産」と「経常利益」で評価されます
  • 「資産」や「年商」を言葉にする人は、お金持ちではありません
  • 「資産」や「年商」を言葉にする人は、何かを売りつけたいので注意しましょう。
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