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2003年12月20日(土)中日新聞掲載

『老齢』に偏る公的年金論議


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私は神経内科を専門とする医師のため、五十歳代の脳血管障害になる人を診察することが多い。そこで医師の目から見た年金について考えを述べてみたい。

通常、入院により働けなくなった場合、最初に傷病手当(これは厚生年金のみ)が十八ヵ月間、月額基本報酬の60%を支給される。障害が残った場合 は、国民年金と厚生年金で支給基準に違いがあるが、障害年金が支払われる。不幸にも死亡した場合は、遺族年金が支払われ、このような保障があった後、老齢 年金が支給されることになる。

最近、若者の間で公的年金を払わない人が増えているそうだが、現在の年金議論はあまりにも老齢年金に偏りすぎていないだろうか。このような優れた保険制度を民間で作ることはまず不可能だ。

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